包子に惚れる

いつも遊びにいらして下さる方々ありがとうございます

「ドーム」はラストの飲み会を
もっと詳細に書きたかったんですが

自分が話に飽きてきちゃって・・・
でも4月からずっと貯まっていたものを吐き出したくて
そしてここに書かせてもらいました

つまんないですよね~需要はなかったでしょうね・・・
(でもレイさんの不参加聞いてキボムみたいになるのでは・・
そんな不安に押しつぶされそうになりました)

さて話は変わりまして

タイトルを見て気づかれたと思いますが

そうですあの話のパロです
どうしても ルーミンにしたくて力技で作ってます

良かったらお付き合いください


[包子に惚れる] 1



それぞれの出会い

~ミンソク~


ソウルの春は故郷よりも早く来るようだ

まだ風は冷たいけれど春の匂いを運んできている



ミンソクはこの春 故郷の高校を卒業すると

ソウルの大学に進学した

入学してまだ一週間だが

アルバイトの口を探しに学生課にやってきていた


昨日、福祉関係でボランティアをしている劇団のオーディションがあった

時々ピエロとして、子供たちを喜ばせるバイトをしていたミンソクは

自分の為のオーディションだと感じて意気揚々と受けた・・・


しかし現実は甘くなく面接で落とされてしまった

この劇団は公演の度にバイト代が出るので競争率も高かったのだ


父親を小学生の時に亡くし母親と妹と祖父母との生活を長くしていて

それ程裕福ではない家庭に育っているので

大学生活も奨学金とアルバイト代で賄わなければならない


なので今日は新しいバイトを探して学生課に出向いてきたのだ

しかしバイト先もあまり良い条件のものがなく

諦め顔で求人コーナーから離れ

学生課の建物から外に出て大きなため息をついた


ふと見ると建物の横にあるサッカー場が賑わっていた

どうやら学生対抗のフットサル大会が行われているらしい


ミンソクは高校時代までサッカー部に所属していて

サッカーは観るもやるのも大好きだった


でもフットサル部に入部するとバイトをする時間がなくなってしまう

生活するために部活としては諦めなければならなかったのだ


「あの人・・・すごい・・」


ミンソクの視線の先には女子学生の黄色い声援を受けながら

キラキラと輝いている男性が一人いた


さっきから華麗なドリブルで敵をかわしていく

シュートも的確でパス回しも上手だ

まるで背中に羽でも生えているかのような軽やかなプレーに

ミンソクは思わず見とれてしまっていた


「いいな・・あの人と一緒にプレーしたいな・・・」


近くにベンチがあったので

ミンソクは座って最後まで試合を見てしまった

その男性の所属しているチームが優勝したようで

彼はチームメイトとハイタッチしながら大喜びだった


仲間からルハンと呼ばれていた男性は

いつの間にかミンソクの心を掴んでしまっていた


あの人・・・ルハンって言うんだ・・・どこの学部なんだろう・・・

また会える時あるかな・・・・

ミンソクの胸がキュンと疼く・・・

それが恋の予兆だなんて

初恋もまだのミンソクには気付くわけもなかったのだ




~レイ~


レイは勝手知ったる校舎の屋上でギターを弾いていた

屋上は解放されているのにも関わらず認知度が低く

ちらほらとしか学生はいない

付属高校出身のレイは

隣接していた大学のキャンパスにもよく遊びに来ていたので

この春から大学生になったばかりなのにすでに詳しかったりする


幼馴染のルハンと一緒にサークルに入ろうかと見て回ったけど

あまりピンとするものがなかった


大学に入ったらサッカーを止めると宣言したにも関わらず

ルハンにはサッカーやフットサル関連のサークルの勧誘が多い

今も高校時代の先輩に拝み頼まれて試合に出てる



「レイ!!!!待ってろよ~

試合で活躍する交換条件として

部室もらう事になったからなぁ~」

ルハンはそう宣言すると試合に臨んでいった


部室・・・部室があればそこでギター弾いたり

キーボード弾いたりして作曲ができるな・・・それは良いことだ

ルハンは自分で何かサークルを立ち上げるつもりらしい・・


「まあいいけどね・・女の子禁止にしてくれれば・・・」

レイはそう呟くと

中学時代からルハンの女性関係に巻き込まれて散々だった過去を思い出す

自分がゲイの傾向にあるのもルハンのせいだと思っている


ギターを抱えたまま、ぼんやり過去の回想に浸っていたレイの耳を

すごく美しい旋律が掠めて行った・・・


え??? 何この声・・・

瞬間全身に鳥肌が立った

レイはその声の主を探そうと屋上をさまよったが

すでにその旋律も聞こえなくなり、声の主も去っていったようだった


「セイレーン・・・・僕のセイレーン・・・

絶対に声の主を見つけるから・・・」


自分の心に響いた歌声の持ち主・・・どんな人なんだろう・・

レイは小さくほほ笑むとギターを持ち直して

さっき聞こえてきた旋律を弦で再現してみた・・・


それ以来しばらくレイの屋上通いが続く・・・



~ジョンデ~


ジョンデは小さい頃から歌手になりたかった

歌うことが大好きで高校時代は音楽大学を目指して勉強をしていた

親からは浪人はダメと言われていたので

音大の他に普通の大学も受験していたが

残念ながら音大は落ちて普通の大学に進学することになった

大学生活はまだ始まったばかり

でも受験に落ちた精神的ショックから立ち直れていなかった

今もひとがいない場所を探して

課題曲だった歌を歌っていた

諦めきれない自分に苦笑すると

「ちゃんとキャンパスライフを充実させないとね」と呟いて

屋上から

オリエンテーションの始まる大教室に向かって

階段を下りて行く


「屋上って意外に穴場なんだな・・人も少ないし・・・

時々ここにきて歌っても大丈夫そうだな」

元々下がり気味の眉をもっと下げて

秘密基地を見つけた小学生のように

楽しそうにほほ笑んでいた




~ルハン~


「レイ~!!!ほれっ!!!」


ルハンがレイに向かって何かを投げた

レイが慌てて掴み取り、手を広げると鍵がひとつ


「約束通りに部室をゲットしたぜ!!!!BOX326!!!!

後で俺も行くから、合鍵つくっておいて~!!!!」


「ルハンすごいね・・・一昨日フットサルで大活躍したんだって?

有言実行でさすがに男の中の男だねぇ」


レイの褒め言葉に胸の前で親指を立てて嬉しさを表しているルハン


「でもさ・・その後の勧誘を断るのにすっげー大変だったよ」


「フットサル位だったら入ればいいのに・・・」


「俺・・サッカー漬けの生活はもういいんだ・・・

なんか別の事やりたい!!!!!青春が無駄になっちゃう」


ルハンの「青春」という言葉にレイは吹き出す


「古臭い言葉出して来たね~せいしゅん・・ねぇ・・・

今から合鍵つくりに行ってくるから・・・次の授業終わったら

ホールの方の食堂で会おうね」


「おうっ!!!!俺も学生課にいってサークル登録してくるからさ・・

後でなっ!!!」



サークルを立ち上げる気満々だったルハンは

事前に登録に必要な書類をすべてそろえていた

そして念願の部室を手に入れてサークル登録の手続きをしに行ったのだ

学生課のある建物から出てくると後ろから声をかけられる


「ルハン・・・」

ふりむくと今付き合ってるスンヒョンが鬼の形相で立っていた

「ルハン・・・」

反対側からやはり付き合っているソヒョンが眉間にしわを寄せて仁王立ちしている


やべえ・・・


ルハンが引きつった笑顔を浮かべていると

今日これからデートをする予定だったユナが

今日の夜のデート相手のスジと喧嘩しながらこっちに向かっていた


そうルハンは今現在、四股交際をしていたのだった


中学から女性にモテモテのルハンは貞操観念が低く

来るもの拒まず状態でいろいろな女性とお付き合いをしていた

広く浅く深く・・・本当にいろいろ・・・


いつも一緒にいたレイが

ルハンをめぐる女性たちのトラブルに巻き込まれて

散々な思いをしてきたのに、大学に入っても懲りることなかったようだ


ルハン自身は被らないように上手く調整していたつもりだったが

一昨日のフットサルでの大活躍で

「あれは私の彼氏」とそれぞれで自慢していた

そのおかげで四股が判明し、自称ルハンの彼女同士で大騒ぎになった

そして今ルハンに対して

誰が本命なのか決めてほしい!!!!!と迫っている



可愛い子も怒ると鬼みたいに凄い顔になるんだな・・・

そんな事を思いながら適当にやり過ごそうと笑顔をふりまくが

今日はそんなものでは済まされそうにない


マジやばいって・・・・ルハンは小さくため息をつくと・・・


「あっ!!!!」

とんでもない方向を指さして声を上げた

四人は一斉にその方向を見つめた


よしっ!!!!

その隙にルハンは猛ダッシュしてその場から逃走する


「ちょっと~待ちなさいよ!!!!!」

怖い顔の女性達がルハンを追いかける


ゼミ活動をする小さい教室のならぶ棟に飛び込んだが

追っ手は諦めずに後ろを追いかけてくる


迷路のような廊下をすり抜けても怒号は聞こえてくる

さすがに恐怖を覚えてそこらへんの教室に逃げ込もうと

ドアノブをがちゃがちゃさせるが

カギのかかっている部屋ばかりだ

やっと鍵のかかっていない扉があってそこに飛び込んだ



へ?


ルハンの目の前に驚いた顔をした

ピエロが立っていた・・・・


続く
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包子に惚れる 2

[包子に惚れる] 2


~ミンソク~


ミンソクが小学校五年生の時に父親が亡くなった

ミンソクの父親は大道芸人でピエロをしていた


子供たちの施設の慰問やイベントでの活動が主で

収入的にも苦しいものがあったと思う

ミンソクと妹そして両親の四人が食べていくには

贅沢しなくてもぎりぎりだったのかもしれない

そんな時に父親が急死する


その日も子供たちを集め

広い公園のイベントスペースでピエロの芸を披露していた

そこに暴走する車が突っ込んできて

子供たちをかばった父親は車にはねられたのだった



ミンソクの母親はミンソクと妹を連れて自分の故郷に戻り

祖父母と同居して何とか食べていくことが出来た



ミンソクは思春期特有の潔癖さから

父親の大道芸人という仕事に理解を示さなかった

一番悔しかったのは

亡くなった父親の顔を思い浮かべようとすると

ピエロの化粧した顔しか浮かばない事だったからかもしれない


ピエロというものを忘れ去るようにして生活していたミンソクが

高校三年となり大学進学を控えていたある日

母親が古ぼけたカバンと一枚の写真をミンソクに渡した



それは父親が愛用していたピエロの道具の詰まったカバンと

ピエロに抱きついて最高の笑顔を見せている子供の写真だった


ピエロは父親で抱きついているのは小学校低学年の頃の自分

母親は何も言わなかったがその写真には愛があふれていた


そして今まで忘れようと蓋をしていた感情があふれ出てくる・・・



とうさん・・・

僕は・・父さんのピエロが大好きだった・・・

魔法みたいに色んな事ができる父さんが自慢だった・・・

そして僕はこんなにも父さんに愛されていたんだ・・・

写真のピエロは愛おしそうに自分を抱きしめている

ミンソクの瞳から涙があふれ出て止まらなくなった・・・・


父親の愛用していたピエログッズから

初心者向けのものをいくつか選び

写真と一緒にソウルに持ってきていた


独学ながらピエロの練習をして

バルーンアートなら出来るようになり

イベントなどで子供たちを喜ばせる位にはなれた


でも先日のオーディションに落ちてから

まだまだ修行が足りないと自覚して

空いている時間に空いている教室を拝借して

ピエロの練習をしていたのだった


今も練習をしていたら

乱暴にドアが開き

教室の中に転がり込んできた人物があった


このひと・・・サッカーの試合にでてた・・・ルハン・・・


あまりにも突然な出来ごとに

ミンソクは驚いたまま立ちつくしていた



~ルハン~



鍵が開いていたドアを開けて

夢中で逃げ込むと呆然とした顔のピエロが立っていた


へ?

なんでピエロがいるんだ?


ルハンも驚いてピエロの顔を見つめていると

廊下の方から自分を探している怒鳴り声が聞こえてきた


「うわっ!!!!まぢ殺される・・・」

ピエロが首をかしげてルハンを見つめているので


「ごめん・・俺見つかったらやばいんだ・・・

お願いかくまってくれる????」

そう言って教室の後ろの方の物陰に体を隠した


「ルハーン!!!!!!」

ルハンが隠れると同時にドアが激しく開けられた


「うわっ!!!!何? あんた?」


「ピエロ?」


「なんでピエロがいるのよ」


「ルハンいないの? あいつ何処に逃げやがった????」


綺麗に化粧もおしゃれもしていた女性達は

怒りにまかせて乱暴な口を聞いている


怒らせると本性が丸見えになるって・・・本当だなぁ・・

どんな美人でも怒った顔って醜いな・・・・


ルハンは物陰から怒りで不細工になっている女性たちを

他人事のように眺めていた


「ねぇ? あんた・・この部屋に金髪の男が入ってこなかった?」

ソヒョンが

自分達の目の前で小首をかしげているピエロに話しかけた


?????

ピエロは一言も口をきかず

オーバーなリアクションで知らないと答えた


「すっごいイケメンの軽そうな男なんだけどさ」

今度はユナが聞いてくる


ピエロは少し考えたようなポーズをしてから

パンッ!!!と手を打ってドアの向こうを指さし

それから走り去るマネをしてみせる


「あっちの方に走って行ったってこと?」

ピエロはその言葉に大きく頷き両手で丸をつくった


一言も話さないピエロを前にして

時間の無駄だと思ったのか

四人の女性達はピエロの指さした方角にむかって走って行った


パタン・・・・


ドアを閉めるとピエロのミンソクは疲れたというように

大きなゼスチャーでため息をはいた


「ごめん・・・助かったよ・・ありがとう」

奥の方からルハンがよつんばで

ハイハイしながらミンソクの前まで来る


「あーっ走ったせいでのど乾いちゃった」

ルハンがポツリと言うと

ミンソクはニコリとほほ笑んでペットボトルを取り出した


ルハンの目の前で

ガラスのコップにペットボトルの水を注ぐ


そのコップを

左手に持って右手で隠す動作をしてからルハンに渡した


「うわっ!!!!どうやったの?」

コップの水は常温から冷水になっていた


黙ったまま どうぞ!というゼスチャーで合図されると

ルハンはその水を美味しそうにごくごくと飲みほした


「美味しい~ありがとう・・お前すごいな」

ルハンがキラキラした瞳でミンソクを見つめる


「お前・・こんな所で自主練してんの? ひとりなの?

もしよかったら俺のサークルに入らない?」


キョトンとした顔のピエロにルハンは話を続ける


「俺さ・・・サークル立ち上げたの・・

何でもチャレンジしよう!!!!ってコンセプトでさ・・・

この貴重な青春時代を

何かにチャレンジするのもいいかなって」

「今・・ピエロだから声ださねぇんだろう?

お前もピエロに挑戦中なんだろう?」


ミンソクピエロは笑顔でうなづいた



ドキン・・・



ピエロのメイクをしているのにも関わらず

間近でみるメイクに隠された顔が

すごく可愛いくて好みだとルハンは気づいた


猫のような大きなつり目・・・

真っ赤な口紅に隠れされいるプリッとした唇


ルハンの心臓はドキドキと今にも破裂しそうだ


俺・・・どうしたんだろう・・何このドキドキ・・・

初めての経験にルハンは驚いて

醜態をさらさないようにと小さく深呼吸をする


あ・・その前に・・・確認しなきゃ・・


「!!!!!!!!!!!!」


ルハンは目の前のピエロを思いっきり正面から抱きしめた


「BOX 326 で待ってるから!!!!入部しにきてね~」



爽やかな笑顔を残して

ルハンは走り去って行った・・・・・


残されたミンソクピエロはへなへなとその場にうずくまる



数日前に見かけたルハンが目の前にいて

自分の事をサークルに誘ってくれた

あろうことか抱きしめられた・・・・

ルハンのコロンの香りがわずかに鼻に残っている


ミンソクの胸が何かに締め付けられるようだった

鼻の頭につけていた赤い飾りをとって

ピエロのメイクを落とす

鏡の中に見慣れた

地味で自信のないいつもの自分の姿を見つけ

ため息をひとつついた・・・・



続く

包子に惚れる 3

[包子に惚れる] 3


~ルハン~



あいつ・・・男だ・・・


ルハンは教室から飛び出すと

ドキドキする気持ちを抑えようとし

小さく息を吸うと一目散に部室に向かって

アスリートの様に夢中で走り出していた


ピエロを最初に見た時には女性かと思った

自分より少し小さい背丈、愛らしいしぐさ・・・


でも実際に正面から抱きしめたら・・・

女性にはあるべきものがなかった・・・胸だ・・・

それに男性としては華奢な体つきでも

女性にしたら肩幅が広く胸板が厚かった・・・・


あーっ!!!!!やべえっ!!!!!俺まぢ・・やべえ・・・


胸のドキドキが止まらない・・・抱きしめた感触が蘇る・・・


ルハンはモヤモヤした気持ちを持て余しながら空を仰ぐと

あーっ!!!!!!と一声叫んで部室棟に駆け込んだ



~ジョンデ~


ジョンデは今日も屋上に来ていた

元々人付き合いの良い性格だったので

すぐに話をする知人はクラスでも出来たが

自分がまだ音大の不合格を引きずっていた為に

1人でぼーっとする時間も欲しくて

気づくと屋上に来ていたのだった



売店で買ったカフェラテを一口飲んで

ぼんやりと景色を眺めていたら

どこからかギターの音色が聞こえてきた


え? このフレーズって・・・課題曲じゃん・・・

音大の課題曲・・・偶然でも誰が弾いてるんだろう・・・


ジョンデはギターの音色のする方を探して

ひとけのない屋上をウロウロとする


あ・・・


屋上の隅の方でギターを弾いている男性を見つけた


うわっ・・・美人・・・でも男だよな・・・・


ジョンデは男性の綺麗な顔を見つめて驚いた

顔だけ見ると女性のような可愛らしい顔

色白で優しそうな瞳は少したれ気味で可愛らしさを増し

楽しそうに口ずさみながらギターを弾いている

その口元には愛らしいエクボが浮かんで

その男性の美しさを際立てている


ジョンデは彼の顔に魅入られた様に

その場から動けないでいた




~レイ~



今日も会えないのかな・・・・僕のセイレーン・・・


レイは屋上で偶然耳にした旋律から曲を探し当てて

ギターで弾きながら自分も口ずさんでいた

ここでこの曲を弾いていれば探し人も気づいてくれるだろう・・・


~♪

レイの弾くギターに合わせて探していた声が聞こえてきた

レイは振り向くと自分のギターに合わせて歌っている男性にほほ笑む


「僕のセイレーン・・・やっと会う事ができたね・・・」




~ルハン~


「あーっ?????部室カギかかってないぞ?

レイがいない・・・・

あいつどこに行ったんだよ!!!!!!」

部室の中に入るとルハンはテーブルに突っ伏して頭を抱えた


さっきからずっと胸の動悸が止まらない

あのピエロの笑顔が頭から離れない

あの真っ赤な口紅の下に隠された

魅力的な唇が脳裏によみがえる


うわぁぁぁぁぁぁ

男だと分かっていてもその唇にkissをしたい・・

そう思った自分にルハンは戸惑いを隠せずにいた


「なんで男なんだよ~!!!!!!!」

ルハンがそう叫んで部室のテーブルをバンバンと叩いていると


「ちょっといいかな?」

開けっ放しの部室のドアの外側から声がかかる


「はい?」

見るとさっき書類を提出した学生課の職員が立っていた


「さっき言うの忘れたんだけど・・・・

新しくサークルを立ち上げるには最低4人の部員が必要なんだよね

この書類には2人の名前しか書いてないけど・・・・」


「え? 」


「同好会とか・・・部室を使わないサークルなら1人でもいいんだけど

部室を利用する・・

いわゆる大学公認のサークルになると最低4人は必要なんだけど」


ルハンは男性職員の言いたい事が分かって笑顔で即答する


「大丈夫です!!!!後で追加で書類持っていきます」


男性職員が去った後

ルハンは大きくため息をついた・・・・


「あと2人か・・・

女の子だったらいくらでも入ってくれそうなんだけど

レイとの約束で女の子禁止にしちゃったからなぁ・・・」


さっき勧誘したピエロの顔が頭をよぎった・・・

こんな事なら・・さっきちゃんと勧誘すればよかった・・・

ルハンは小さく後悔する



また会いたい・・・無意識にそう思っている事にルハンはまだ気づいていない


続く

包子に惚れる 4

[包子に惚れる] 4


~ミンソク~


ミンソクは部室棟の前で

中に入ろうとして、

一歩踏み出しては後戻りを何度も繰り返していた


あの日ルハンにサークルに勧誘されてから

ぐずぐすしている間に2週間が過ぎてしまっている


すぐに行けばよかったのに・・・今更行っても

どなたさまですか?

そんな対応を取られそうで二の足を踏んでいたのだった


今日ピエロの化粧してないし・・・誰だか分からないよね・・余計・・

どうしよう・・・・



地味で消極的な性格が自分でも嫌になる

ピエロを演じている時はそんな事ないのに・・・


すると

後ろから大きな声で騒いでいる男性の声がした


ミンソクはとっさに建物の陰に隠れて様子をうかがう

ルハンが中年の男性に向かって

必死に何かを訴えている姿があった


男性は笑顔でうなずきながらも

ずんずんと部室棟に入って行く

縋りつくようにルハンも男性の後を追っていく



あれ?

ルハンだ・・・どうしたんだろう・・・



「待って下さい!!!!部員はちゃんと4人確保しますから・・・

もう少し待って下さい!!!!!」


「約束の期限は過ぎてるんだよ・・・

部室を使いたいサークルが他もあるんだから

ちゃんと書類提出できないなら部室を明け渡してもらうから」


有無を言わさない勢いで男性はエレベーターに乗り込んだ

その後をルハンが必死で追いすがる


その様子を見ていたミンソクは急いで階段で3階まで先回りをした




~ルハン~


学生課の職員に部員4人を確保すると宣言したにも関わらず

自分の履修の事など雑務ですっかり忘れていたルハンは

とうとう職員に呼び出されて部室のあけ渡しを要求された


ルハンに空き部室を回してくれた高校の先輩は

ゼミ合宿で連絡が取れず・・・・

レイとの約束を破って女の子を勧誘しようとしたが

「そんな事したら絶交だからね」と言われ女の子も断念した


どうすれば部室を取られないで済むか

ルハンは頭の中を高速回転させながら思考をめぐらす

しかし職員の勢いに押し切られるようにして

部屋の前までたどり着いてしまった


「しつれいしまーす」

男性職員が部室のドアを開けると

中にはレイと知らない男性が

ギターの伴奏で楽しそうに歌っている所だった



はぁ?


ルハンがびっくりして立ちすくんでいると

レイが気づいて演奏をとめ

「この子ジョンデ・・今日から部員だよ」と紹介する


「キム・ジョンデです・・よろしくお願いします」

困ったような眉をもっとさげてジョンデは挨拶をした


「はあ・・どうも・・・」間の抜けた挨拶しかできないルハンに

男性職員は「3人いるのか・・・あと1人だな」と呟いた


その言葉にハッとして


「あと1人大丈夫です・・入部希望者がいます・・ぜったいにいます」

ルハンは大きな声で宣言する

男性職員は疑い深い表情でルハンの顔を睨みつけた



「あのぉ・・・」

部室の入口で睨みあっているルハンと職員の後ろから

かすかに小さい声が聞こえてきた

2人が振り向くと色白の小柄な男の子・・・

中学生にも見える学生が立っている



あっ!!!!!


ルハンは瞬時に彼があの時のピエロだと気づいた


「この子!!!!入部希望者です!!!!うちのサークルに入ります!!!」


「はぁ? 本当にそうか? お前・・こいつらのサークルに入る気か?」


2人にものすごい勢いで迫られて

男の子は一歩後ずさりをする


ルハンはまるで獲物を逃すまいとする豹のように

男の子の後ろに回ってその体をしっかりとホールドした


うわっ・・・

背中にルハンの感触を感じて真っ赤になったミンソクは


「あの・・・ここのサークルに・・

入部希望の・・・キム・ミンソクです」と

ものすごく小さい声で言った





「これで文句ないっしょ?」


ジョンデとミンソクの名前を書いた書類を男性に押しつけると

鬼の首を取ったかのようにほほ笑むルハン

学生課の職員は悔しそうにしながらも規則は規則だと

しぶしぶ帰って行った




男性職員が帰って行って

やれやれと椅子にすわったルハンに

「あのぉ・・・僕入部して・・良かったんですか?」

俯き加減でミンソクが小さい声で聞いてきた


「ミンソク・・だったっけ? あの時のピエロだよね~

あの時、助けてくれてありがとう・・そして今入部してくれてありがとう」

ルハンは最高の笑顔を見せてミンソクに握手を求める


うわぁ・・・小さくて可愛い手・・・俺の手にすっぽりと収まってしまう

ミンソクの手を、自分の両手で撫でまわしながら

ルハンはそんな事を考えていた



~レイ~


ルハンがさっきからデレデレしている・・・

幼馴染で付属中学からずっと一緒だったけど

こんなデレデレしたルハンは初めてみる


いろんな女の子にもてて

手当たり次第の付き合いしていたけど

どこか冷めた部分をもっていたルハン・・・


でも・・・この可愛い男の子を前に顔を崩しっぱなしだなぁ・・・


あれあれ

握手した手をどさくさにまぎれて握ったまま撫でまわしている・・

大丈夫かな・・・

レイはぼんやりとそんな事を考えながら

「助けてくれたって・・どうしたの?」とルハンに聞いてきた




~ジョンデ~


「いろんな事にチャレンジするサークル」

レイからそう聞いて入部を決めたけど

初めて会う代表のルハン? なんか凄く綺麗な人・・・軽そうだけど・・


レイもかなり美人で笑うとたれ目が余計に可愛くなる


そして代表の人に手を握られたまま固まっている彼・・・・

中学生にも見えるけど多分同じ1年生なんだろうな・・・

色白に一重の大きなつりあがった目が印象的で

赤くふっくらとした唇が

女の子の唇みたいで綺麗な印象を与えている


ええええ?


自分以外はものすごく「顔偏差値が高い」事に気づいたチェンは

チャレンジって・・・もしかして芸能プロのオーディションなのか?と

変に気をまわしてドキドキしていた



~ミンソク~


ルハンがデレデレした顔で

握手するつもりで差し出した手を握りしめたまま離してくれない

こともあろうか撫でまわしている・・・


え? 何これ?


不安そうにルハンの顔を見つめると

誰もを虜にしてしまう様な最高の笑顔を

自分に向けてくれた


先に部室にいた2人は呆れたような顔をしてルハンを見ている



これからどんな展開が自分を待ち受けているのか

ミンソクは不安に押しつぶされそうになっている・・・・・



続く

包子に惚れる 5

[包子に惚れる]  5


「さて・・・サークルとしても成立したので

今後の活動をざっくりと決めようか・・・」


大学側に公認サークルと認めてもらい

とりあえず1年間は部室も確保されたので

今後の活動方針を決めようと

ルハンによって3人は呼び出された



「いろんなことにチャレンジするサークルだけど

何がやりたい? 」


「うーん・・・僕はとりあえず曲が作りたい」

ルハンの問いにキーボードをいじりながらレイは答える


「ジョンデは? 」

ルハンに話を振られてジョンデは少し悩んで

「思い浮かばないので・・・何でも挑戦します」

困ったような顔をミンソクに向けた


「ミンソクは・・もう決まってるよ」


「へ?」


ルハンは戸惑うミンソクに笑顔を向ける


「ピエロやるんでしょ?」


まだ何も発言していないのにルハンは断言する


確かにピエロはやりたいけど・・・

人の意見も聞かないで決めつけるなんて・・・


ミンソクが何も言わないのでルハンは不思議そうな顔をする


「あのピエロ良かったよ・・・俺ミンソクのピエロ好きだな」


ルハンがミンソクのピエロの話をしようとした時に

ミンソクの顔を見ていたジョンデが思い切って口を開いた


「あの・・・ミンソク君って・・・

もしかして水原の華西小学校にいなかった?」


「!!」

ジョンデの発言にミンソクは驚いて声が出なかった


「僕・・・ジョンデだよ・・ナクタのジョンデだよ」


あーっ!!!!!!!!


ミンソクが突然大声を出して椅子から飛び上がる


「ナクタ~!!!!!ナクタだ~!!!!」


そして2人はしっかりと抱き合ってその場で大喜びをする

ルハンとレイは何が起きたのか理解できずに

唖然としたまま2人を見つめている


「2人は知り合い?」

レイが聞いてきたのでジョンデは嬉しそうに頷いた


「小学校の時に仲良かったです・・・ミンソクが引っ越しして

それ以来会ってなかったけど・・」


「小学校5年生の時に父親が亡くなって・・

祖父母の住む久里に引っ越したので・・・」


「あ・・・ミンソクのお父さん・・そうだったね・・・

ピエロやってたよね・・

僕もあの時の事故現場に兄さん達といたんだ」




人見知りの気のあったミンソクが

ジョンデと知り合いだった事がきっかけとなり

それまで緊張でガチガチだった気持ちが解けて

笑顔が見られるようになった


ルハンはその笑顔を見て「可愛い・・・」と再確認する

ミンソクの笑顔一つで

ルハンの心臓はバクバクと破裂寸前になる


やっべぇ・・・

何とかそれを笑顔で抑え込んだ


そしてサークルの発足祝いの飲み会を提案し

夕方に新村のマクチャン屋で集合する事になった



「かんぱーい!!!!!!」

安くて旨いと評判のマクチャン屋で

お酒の勢いも入り4人はすっかり打ち解け盛り上がった


「ねぇ・・この写真見て・・・」

一度家に戻ったジョンデが写真を持ってきていた


「何???集合写真だけど・・・」


「あーっ!!!!!やめろ~!!!!!見せるな~!!!!!」


写真の中身に気づいたミンソクが大きな声で叫んだ


ルハンはますます気になって

ジョンデから写真を受け取る・・・・


「この写真にミンソクいるんだよ・・・3年生の遠足の時の・・

僕の隣にいるのがミンソク」そういってクスクスと笑った


ジョンデの様子とミンソクの慌てぶりに

この写真に何か重大な事が隠されているのか・・と

ルハンはじっくりと検分し始める


ジョンデの姿はすぐにわかった・・・今と変わらない

ナクタ (ラクダ) と仇名が付いてたように

ラクダっぽい顔をしていた


でもその隣にいるのは・・・白くて丸くて・・・包子みたいな子

恥ずかしそうに笑っているその笑顔に

ルハンはミンソクの面影を見つけた


「ぱおず・・・みたい・・この可愛いの・・ミンソク?」


「ルハンすごーい!!!!

ミンソクはその当時「ぱおず」って呼ばれてたんだよ」


「やめろよ~!!!!もう包子じゃないからっ!!!!!」

少し拗ねた様に頬を膨らませたミンソク・・・


その顔を見たルハンは

もうどうしようもなくデレデレした顔でミンソクを見つめていた


「ルハン・・・顔が崩れているよ・・体中から好きがあふれている」


レイに耳打ちされても気にならない位

ルハンは体中からミンソク大好きオーラを出しまくっていた

ただ当の本人が恋に疎く

人の心の動きに鈍感だった為に気づかないでいる


「僕もルハンに負けないように

僕のセイレーンを僕だけの物にしなくちゃ」

酔ったレイは

えくぼの出る可愛らしい笑顔で凄い事を口にしていた



続く
プロフィール

宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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