大切なものは・・・6

[大切なものは・・・・] ギョンスside


朝、目覚めたら隣に愛おしい人の寝顔があった

これって嬉しいような恥ずかしいような不思議な気持ち

映画や小説によくある

恋人たちの朝の風景そのものなんだけど

その当事者になったら・・なんだろうコソバユイ感じがする


カイがずっと僕の事を好きでいて

カイの怪我で

僕もカイを弟以上に思っていた事を自覚して

2人の思いが通じ合って

晴れて恋人同士になった・・・・んだけど

リハビリのために日本に行くことになったカイと

固定客も付き評判も上々で

軌道に乗り始めたビストロを

1人で切り盛りしている僕とは

遠距離恋愛状態になってしまった


すぐに戻ってくるだろうと高をくくっていたのに

ダンサーとして踊るためには

まだまだリハビリが必要らしい・・・


気づけば一年もの間、遠距離状態だった

僕が時々病院に会いに行ったけど、日帰りがほとんどで

身も心も結ばれた恋人同士とは言えなかった


そんな頃

店の常連だったチャニョルの仲間で

サッカー選手のルハンが

飛行機事故に巻き込まれて片足を失った


その親友というか恋人のミンソクが(僕とも友達である)

リハビリに適した日本の病院を紹介してほしいと言ってきた


ミンソクにはカイとの事を話していたから

頭の片隅にでもそこの病院の事が残っていたんだろう

そして彼らはカイのいる日本の病院に転院していった

それからカイからのメッセの他に

ルハンのお世話係のミンソクからも

カイの様子が送られてくるようになった


カイのケガは完治している・・・

もうバレエも踊れる状態にはなっているはず

でも踊れないのは心の問題・・・

本人が気づいていない心の何かのため・・・・

その事はカイの主治医から聞かされていた



ミンソクからは

「ギョンスが好き過ぎて

2人の関係を真剣に考え過ぎて

変にプレッシャーになってるんじゃないか」

そんな事を言われた


そんな時にちょうど

テレビ局勤めのチャニョルから

ラブコメ映画の舞台になりそうな

小さなビストロを探していると言われ

半月程ロケ場所として提供することにした


思いきって店を休みにし

僕達2人の将来の事を真剣に考えないと

だめな時期に来てるのではないか


そんな不安を抱えながら日本に来たけど

久々に顔をみたらカイは泣きだしてしまうし

僕もカイが愛おしくて堪らない感情で溢れそうだった



恋人として最後までいってないからだとか

ルハンが余計な気をまわして

「温泉旅行」という

僕達の初Hのためのおぜん立てを整えてくれた


なのにまだカイは躊躇している

もう待てない・・・

だから僕からカイを襲った・・・・

途中からカイは覚醒して僕を愛してくれた

2人のセックスはぎこちなさと

たどたどしいものだったかもしれない


でも後悔はしなかった

やっと体も一つになれた・・・・

カイの寝顔を見ながら

僕は今までのいろんな思いがよみがえって

胸の奥を締め付けてたまらない・・・

本当にこの子は僕にとって大切な人なんだと実感する


これからもずっと

僕は横でこの寝顔を見守っていきたい・・・・


知り合った頃よりもがっしりと逞しさを感じる

少年から大人の身体付きになってきたね・・・


眠っているカイの瞼にキスを落とすと

いつもは寝起きの悪い恋人は珍しくぱちりと瞳をあけた


「ヒョン・・・夢じゃなかったんだね」

眩しそうに僕の事を見上げる

その唇にやさしく口づけをおとす


「おはよう・・僕だけのカイ・・」

カイは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに顔をくしゃっとさせた


昨夜僕の事を抱いている時は

初めて見る大人の雄の顔つきをしていた

いま思い出しても体が疼きそうなくらいだ・・・


でも目の前にいるのは今まで通りの可愛いカイ

どんどん大人へ成長していく僕の恋人は

まだ僕の知らない新しい面を

これからも見せてくれるようになるのかな・・・


カイが目を覚ましたので

せっかくだからと

部屋に付いている露店風呂に2人で入ることにした


朝のさわやかな空気を感じ

目の前に広がる美しい海をみながら

若い僕達は欲望のまま不健全な行為に没頭した

没頭しすぎて2人とも湯あたりで気分が悪くなり

裸のまましばらく洗い場に寝そべって火照った体を冷やしていた


「ヒョン・・・」

カイが僕の頬に手を添える


僕もカイの瞳を黙って見つめる


「ヒョン・・・病院に戻ったら・・パッセの練習始めるよ」

「・・・・・」

「すぐに僕もソウルに戻る・・遠距離はもう飽きた」


僕は言葉がうまく出てこなくて黙って頷いた

知らないうちに涙が頬を伝っていたようで

カイが頬に充てていた手でやさしくぬぐってくれる


胸が熱くなってきた

こんな小さな事でも幸せに感じる・・・

先に立ちあがったカイが僕を宝物を扱うかのように

大事にお姫様抱っこをしてベットまで運んでくれた


身支度を済ませてから

僕達は恋人つなぎをして朝食会場の食堂にむかった


続く
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可愛いは作られる

いつも遊びにいらして下さる方々へ
本当にありがとうございます
更新がなかなかできずにすみません・・・

ちょっとスジュ活してまして・・・
自称EXOのオンマのSJリョウクの単独ペンミに行ってました
そこで思いついた話を上げます

カイドの話はあと一話で終わるのですが
こちらを先にあげます・・・すみません・・・

リョウクは日本の歌を9曲歌ってくれました
ミーシャのエブリシングは鳥肌立つほど素敵でした

ぎょんちゃんやベクにチェンチェンの歌声も好きです
この三人にとって良いお手本になれるように
リョウクは頑張ってます・・・(でも今年兵役なんです)

リョウクとベクとぎょんちゃんとシウミン君の
おバカversionの話をどうぞ


[可愛いは作られる]


「おいっ!!!ギョンス!!!こんな所に呼び出して何だよ」

ノレバン・エブリシングのパーティルーム通称SJ部屋に

ベッキョンとシウミンとディオの3人が座っていた

ベッキョンは静寂さに耐え切れずにディオに話かける

「誰か来るんだろう?」

シウミンもカラオケの機械をいじりながら呟いた

「ん・・もう少し待ってて」

ディオは時計を見ながらそわそわと落ち着かない

ディオから懇願されて2人はこの部屋に連れてこられたのだが

何故か詳細は明かされていなく

いま誰かを待っている状態だった


「ごっめーん!!!!ちょっと遅れちゃったね~」

元気よく入ってきた人物を見て

シウミンとベッキョンは目を見開いて驚いた

「リョウギヒョン!!!!!」

リョウクは店員から奪い取ったと思われる

飲み物の乗ったトレーを手にして

今日も可愛い年齢不詳の服装で立っている

(この人といいヒチョリヒョンといい・・・

青の兄さん達は本当に年齢不詳だな)

ベッキョンが心の中で思った


「まあまあ座って座って」

リョウクに促されて直立していた3人はソファに座った

「まあまあ飲んで飲んで」

リョウクは3人が先ほど注文してたドリンクをテーブルに置く


「で・・・ヒョン・・・今日の用事って何ですか?」

ディオが恐る恐るリョウクに訪ねる



リョウクはラジオ番組のDJをしている

番組出演などでEXOの3人にとっては

大先輩のSJの中でも馴染みのあるヒョンだった

(ここに座っているのがイトゥクだったら緊張で固まっていただろう)


「僕・・今年兵役なんだけどね・・

その前にぜひ3人に伝えたい事があってね」

「伝えたい事? 歌の事ですか?」 ディオが答える

「違うだろう・・・チェンがいないし」 シウミンがディオの答えを否定した

「で・・・何ですか?」 ベッキョンが興味津々の顔で聞いてくる


3人の顔を見回してリョウクはニッコリとほほ笑んだ


「君たち3人にぜひとも伝えなければならない事は・・・・『可愛い』です」




はあ??????


3人はリョウクの口から出た『可愛い』を

理解するのに少し時間がかかった


「俺? 何で俺を呼んだんですか? 俺可愛いと関係ないし」

シウミンが驚いたように口を開く


「はあ? ウミニヒョン何言ってんの?

ウミニヒョンが可愛くなくて誰が可愛いんだよ」

ベッキョンが呆れた様に言う

「だって・・・俺を可愛いって言うのルハンだけだと思って・・」

シウミンはそう言いかけて、恥ずかしさで口を閉じる


「まあまあ落ち着いて!!!

僕はミミちゃん(ソンミン)から伝授された技があってね

それを3人に伝授しようと思って集まってもらったの」


「わざ・・・技って・・・伝承するもんなんですか?」

ディオが目を見開いたまま聞いてくる

「ソンミンさん・・・って・・・嫁に行くと思ってたら嫁もらったし」

ベッキョンの呟きにリョウクが苦笑する

「せっかくの技だから

僕だけで終わらせるのもったいないし

それに軍隊に行ってる間に『可愛い』似合わなくなるし

君たち3人にはぜひ使ってもらいたいんだよ」

「はあ・・・・」

「ペンは大喜びだよ。ペンサとして覚えておいて損はないよ」


リョウクに押切れられるように

3人は技の習得を了解した



それから数時間

可愛いの技取得にむけて特訓が繰り返された

「その目線は斜め45度!!!!!何度言ったら分かるの!!!!」

「恥ずかしがっちゃダメだ!!!!僕たちはプロなんだよ」

「その目線の時は指先の向きはそっちじゃない!!!!!」

いつもニコニコ可愛いリョウクが鬼軍曹に豹変した

最初は乗り気でなかった3人も

リョウクの「プロのアーティストだろう」の一言で

負けん気に火が付いて技の取得に必死になる


「よし・・・もう大丈夫だね」

リョウクの一言で3人は床に座り込んだ



「これで僕は安心して兵役に行ける・・・ありがとう」

リョウクは涙目で3人に握手を求めてきた

「ヒョン・・・・」

3人も習得出来た喜びと

リョウクが今年中に兵役に行ってしまう事実に涙目になっていた


こうしてソンミンの考案した『可愛い』の技は

リョウクから無事にEXOの3人に受け継がれたのだった



ただ不思議な事に

元祖は「可愛い」だけだったのに

伝授された相手によってその技が熟成され

ベッキョンには「あざとさ」が加わり

シウミンには「色気」が加わった

ディオに関して言えば映画の撮影などがあり

可愛いの技は封印されたまま・・・・

忘れたらいけない・・・と

カイの前だけでその技は披露されていたのだった







可愛いは作られる・・・それが真実






おしまい

大切なものは・・・7

[大切なものは・・・] ルハンside



「ほんとにバカだなぁ・・・」

ミンソクが俺の頭に優しく手をあてて

心配そうに顔をのぞき込んでいる

カイ達のためと言いながらも

俺もこの温泉旅行はものすごく楽しみにしていた

楽しみにしすぎてついつい羽目を外してしまい

今朝も部屋付きの露天風呂でミンソクを襲ってしまった

あまりのミンソクのだだ漏れするフェロモンに溺れ切って

興奮した俺は事の最中に頭を思いっきりぶつけてしまった

(イク寸前だったから2人でイクまで痛くなかったのに

朝食の席に着いた途端にジンジン痛くなってきたのだ)


「ルハン・・・たんこぶ出来てるぞ」

「ええええええ?」

涙目になった俺に

ミンソクは冷やしたおしぼりを

たんこぶにのせてくれた


「ばか」


耳元で俺にだけ聞こえるように吐息で囁くと

ニヤリと笑って席に座った


もう朝からなんだよっ!!!!ミンソク!!!!!

俺はジンジンする部分が

頭だけじゃなくなってきて少しあせった

俺の焦っている様子を楽しそうに見て笑ってるミンソク

部屋に戻ったら絶対に襲ってやる!!!!くそっ!!!!


「おはようございます」


俺がミンソクに弄ばれている間に

カイとギョンスが入ってきた


おっ!!!!


2人の顔を見たミンソクが

右眉毛をひょいと上げて俺の顔を見る

俺も鼻の孔を膨らませてそれに答えた



こいつらとうとうヤった・・・

俺は前の席に座ったカイの顔を見てニヤリと笑う

俺の方を見たカイは

小さくうなずいて恥ずかしそうに笑った


そうか良かったな~


隣のギョンスは椅子に座る前に

ミンソクにこっそり耳打ちしていた

すると・・・

ミンソクは嬉しそうに

ギョンスにウインクを送った・・・・


どきん!!!!!


何何何????俺ミンソクのウィンク初めて見た!!!!

おいっ!!!!なんだっ!!!超可愛いじゃないかっ!!!

キスしたいぞっ!!!!くそっ!!!!



よっぽど俺がもの欲しそうな顔をしていたのか

ミンソクが俺の方を見てニカっと笑い

「さあ朝ごはん食べよう」と周囲を促した


俺はカイをからかいたくて仕方なかったが

テーブルの下でミンソクに足を蹴られたので黙ってた


それにしても昨日と今日で

こんなに雰囲気が変わるもんなんだ・・・・

幸せそうな2人を見ていると

なんだか俺も幸せになってくる・・・・不思議だな


カイの少し自信なさげに不安そうに揺れていた瞳は

今ではしっかりとした意思を表していて頼もしく見える


ギョンスは愛されているという自覚から

今日はより綺麗に見えた

「2人良かったな・・」ミンソクの耳元で囁くと

ミンソクも小さくうなずいた



病院に戻ってからのカイは今までとは違って

リハビリに熱心に取り組み始めた

自慢じゃないが

俺も義足が来てリハビリにも熱が入ったが

俺を上回るような取り組み方で鬼気迫るものを感じた

それからすぐカイの退院が決まった


俺たちに別れの挨拶をしに来た時に

「大切なものを守るためにこれからも頑張る・・・

ルハン気づかせてくれてありがとう・・・・

ミンソクさんも色々ありがとう・・・」

カイはそう言ってソウルに戻って行った


数日後・・・


「ルハン・・・どうした? からかう相手いなくて寂しいの?」

リハビリ室でぼんやりしていた俺にミンソクが声をかける


「そうだな・・・寂しいのかもな・・・」

珍しく俺がボソッと呟くと

ミンソクが苦笑しながら俺の頭をなでてくれた


「カイはとっくに怪我が治ってて

後はきっかけが必要だったんだよ

きっかけ作ってあげられて良かったじゃないか」


「俺も負けてられないな」

「うん」

「俺も大事なものを守るために頑張るぞ」

「うん」

ミンソクが泣きそうなのを堪えて

必死に笑顔を見せようとしていた

この笑顔を守るためにも俺・・まじ頑張らなくちゃ・・・


「そういえば一つひっかかる事があんだよ」

「何?」

「カイ・・・あいつさ・・・

何でお前を「ミンソクさん」って呼んで

俺のことを「ルハン」って呼び捨てにしてたんだ?」


俺がずっと気になっていた事をミンソクに聞くと

ミンソクが驚いた顔をして俺を見つめる


「お前・・・それって有名人だからじゃない?」


「へ?」


「お前・・・サッカー選手として超有名なんだよ・・・・

ドイツに行った時だって・・・日本にいたって声かけられるじゃん」


「俺って・・・そうなの?」

ミンソクが今度は呆れた顔をした

「お前だって芸能人の事・・・

知り合いじゃなくても呼び捨てだろう?

カイにとってルハンは芸能人と同じなの」


今度は苦笑しながら俺の頬に手を伸ばした

ミンソクの手が温かい


そうか・・・俺ってそんなに有名だったんだ・・・


「昔から変わってないよな・・・自分がすごくカッコよくて

みんなから愛されているのに気付かない・・・・」


「みんななんて・・・俺には関係ない・・・

ミンソクに愛されてれば幸せなんだから・・・

俺にとって大切なものは「ミンソク」だけだから」

またミンソクの瞳から涙があふれそうになっている


「ミンソクの側にいるために生き返ってきたんだからな」

ミンソクは俺の手を掴んだまま静かに涙を流していた

そして俺の言葉に何度も小さくうなずいた




おしまい

お付き合いありがとうございます

いつも遊びにいらして下さる方々

大切なものは・・・

お付き合いいただきありがとうございます

忙しくなって更新が途中で切れてしまい
なかなか進まなくて・・・すみませんでした

次はバレンタインの話なんですが
バレンタインに間に合うように書いていたのに・・・

最後の最後で間に合わなかった・・・はあ・・・



今頃あげます

チャンミン氏の誕生日ですが・・・全く関係ありませんね

ではバレンタインの内容の全くない話をどうぞ

バレンタイン狂想曲  前編

[バレンタイン狂想曲] 前編


世の中はバレンタインなるもので

お正月過ぎたあたりからマスコミにも取り上げられ

今年の傾向やら「義理チョコ」の消滅「友チョコ」の出現

などと老若男女問わずチョコに対しての関心が集まる季節となった


そしてここSM学園も例外ではなく

バレンタインは毎年やってくるのだった



チェンの場合


「チェン~さっきから何書いてるの?」

バレンタインまであと数日となったある日の放課後

チェンは職員室からくすねてきた紙に

マジックで大きく目立つように何かを書いている

それを興味深げにレイが覗きこんできた

「あはははは!!!!そこまでしてチョコ欲しいの~」

「そんなに笑わないでよ!!!!」チェンが横に座ったレイを睨む


その紙には

『安心して下さい!!!チョコ大好きです!!!!』と書かれていた

「それどーすんの?」

黙って紙を持って歩き始めたチェンに

レイが興味ぶかげに付いてくる


数日前の事

本命から義理まであわせて

誰がどれだけチョコを貰えるか・・・という話となり

チャニョルとベッキョンとチェンが数を競い合う事になった


「どうせクラスで一番はルハンだろう?

去年なんか他校からも持ってきてさ・・・

靴箱に入りきれなくて先生が段ボールで

ルハン専用ボックスなんて作って置いてたな・・・」


「あれ凄かったな・・・シウミンもルハン程じゃないけど

専用ボックスあったなぁ・・」

「あの2人を除くと・・・誰が一番だと思う?」

「俺・・お前ら2人には負けないもん」


「俺だって日頃の行いが良いから

義理はたくさんもらえると思う」

「じゃあ総数で競争しようぜ」



こんなやり取りがあったために

去年よりもチョコの枚数を増やそうと

チェンは無い知恵を絞りだして

貼り紙作戦を思いついたのだった



げっ!!!!!

チェンが玄関に付くと

すでに靴箱の周囲には戦いの火ぶたが切って落とされていた


『チョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコ』

『受験には甘いものが必要です』

『僕を助けて下さい』

『君はここにチョコを入れたくなる』


創意工夫を重ねたメッセージが靴箱の扉に貼ってあったのだ


「あはははははは~みんな凄い~!!!!」

ひとつひとつのメッセージを読みながら

レイは大笑いをしている


『失敗作回収box』

そう書かれたメッセージはベッキョンのもの

さすがあざとい・・・・総数で対決しようと言ったのは奴だ


『きみの真心入れて行ってね』

これはチャニョルだ・・・ちょっと引くかも・・・

そう思いながらチェンは自分の靴箱にメッセージを貼り付けた

「チェンのが一番面白いよ~」

レイが相変わらず楽しそうに笑っている

「でもさぁ~チェン・・・どうしてこんな貼り紙するの?」

さっきまで笑っていたレイの表情が急に変った

「え?」


「チェン・・・そんなにチョコが欲しいの?」

レイの顔が無表情となり感情が読めない・・声も低くなっていた

「貼り紙するほど他の人からのチョコが欲しいなら・・・

僕はあげないよ」


「え?」

レイの意味深発言でチェンの心臓がバクバクし始めた

ただでさえ困ったように下がった眉毛がもっと下がる

チェンがこんな貼り紙をする事になった経緯は

レイに話していて知っているはずだ


泣きそうになっているチェンを見てレイが妖艶にほほ笑んだ

後ろからチェンに抱きつくと耳元に


「冗談・・・チェンには僕がちゃんとあげるよ」と囁く

目を見開いたままのチェンにレイは続ける


「ちゃんとあげるから貰ってね・・・僕を・・・」

そう言いながら

チェンには見えないように

彼の靴箱から貼り紙をそっとはがす・・・


チェンはレイを見つめてつばを飲み込むと

周囲をすばやく見回し誰もいないのを確認して

レイの腕を掴むと逃げるようにして走り去って行った・・・

この後チェンがレイを美味しく頂いたのは言うまでも無い



ディオの場合


家庭科室は甘い香りに包まれていた

家庭科の教師のリョウクは毎年恒例になっている

バレンタインに向けての菓子作り教室を開いていた

自分の分を作るついでに

生徒達にも菓子作りの楽しさを味わってもらおうと

家庭部主催という名目で今年も教室を開いていた


幽霊部員のタオとクリスも

似合わないふりふりエプロンで参加している

(エプロンを忘れたのでリョウクの私物を借りているため)

部長のディオは1人だけプロ並みの手際良さで

美味しそうなクッキーやフォンダンショコラを作っている



「あーったいちょー!!!!このパンダさん変な顔になっちゃったよ~」

「タオ!!!!押すな!!!!この飾り付けのクリームがずれただろう」

他の部員は好き勝手につくれるから

場所の提供だけで良かったが

どう見ても不器用が歩いているといえるタオとクリスには

つきっきりで面倒を見なくてはいけなくて大変だった


超初心者と言う事でクッキーを焼かせていたが

飾り付けの段階でも残念な出来になってしまっている


「クリスにタオ・・クッキー生地は先生とディオの使ったから

味は大丈夫だから安心してね・・・後は飾り付けとラッピングだね」

ちょっと焦げちゃったのは御愛嬌だよ・・と付け加えて

ラッピングセットを2人に渡した


「そうそう玄関の靴箱に『失敗作回収box』ってあったよ

焦げたのとか入れてくれば?」

他の部員が思い出したように言うと

「うん!!!!そうする!!!!可愛いのだけセフナにあげるんだ」

タオが元気よくうなづいた


ディオは

カイのリクエストのフォンダンショコラが

凄く上手に出来て満足していた

普段ポーカーフェイスなディオが

ニマニマしながらラッピングをする姿は

山姥が夜中に包丁を研いでいるような

不気味さを醸し出して

周囲を少しビビらせていた


しかしリョウクは寡黙なディオの

心の動きを読める先生だったので

実際は小躍りするぐらい大喜びしているのを

可愛いなぁ・・・と暖かく見守っていた

(他の人からは焦点の合わない目線で遠くを見つめ

ニヤリと口角が上がっているだけに見えた)


ディオの渾身の出来のフォンダンショコラを貰ったカイは

もったいなくて食べられずに毎日ながめる事になる


せっかくだから永久保存にしよう・・・

そう思って冷凍庫にしまってしまうだろう

去年もらったチョコクッキーも冷凍庫に入ったままだ


カイはディオの事が好きすぎて

ディオそのものも自分だけのものとして

いつかは永久保存したいと思っている

ディオはそんなことは露とも知らない・・・・



続く

バレンタイン狂想曲 後編

[バレンタイン狂想曲] 後編

ルハンの場合


ルハンはバレンタインが大嫌いだ

正確には去年から嫌いになった


小さい時から運動神経抜群で

愛想も良いしルックスも良い・・・モテないわけがない

バレンタインも山のように告白されて

チョコレートも山のようにもらってきていた・・・

それが当たり前のように思っていた・・・・

この学校に入るまでは・・

この学校に入学して運命の出会いをしてしまった

同級生のそれも男子学生に一目ぼれをしてしまったのだ


親友から恋人になって初めてのバレンタイン・・・

自分だけじゃなく恋人のシウミンも山のように告白され

山のような数のチョコレートを貰うことを知って

自分の事は棚に上げて

嫉妬の炎で焼死してしまうのではないか・・・本気でそう思った


この頃ちょっとした胃炎になっている・・・やきもきしすぎだった

そんな恐怖と闘ったのが一年前・・・

それ以来ルハンの中では

バレンタインは忌み嫌う行事になってしまった


ルハンは知らないがシウミンも同じ悩みを抱えていた

親友としか思ってなかったルハンから

猛アタックを受け続けて晴れて恋人同士になった去年

もの凄い量のチョコと告白の手紙と告白の人数が

ルハンを待ち受けていたのを見て愕然とした・・・・

ただでさえ奥手なシウミンは

自分よりもルハンにふさわしい相手が

その中にいるのではないか・・・そう感じてしまった

自分に自信のない彼だからこそ

バレンタインには自己嫌悪に落ちて寝込みそうになった

そんなこんなで今年も例の行事がやってきてしまう・・・・



「しうちゃん・・・今年のバレンタインなんだけど・・・」

ルハンが思いきって口を開いた

放課後2人が良く行くcaféでまったりと過ごしている時だった


「ん?」


「卒業式は終わったし・・・期末テストも終わってるし・・・

後はたいした授業ないから・・・2人でどこかに行こう?」


へ?


ルハンの唐突な発言にシウミンは驚いて目を丸くする

そんなびっくりぽんなシウミンの顔を見て

ルハンは可愛らしさに目じりが下がってしまっていた


「学校をさぼるのか?」


「違うよ~しうちゃん!!!俺たちの去年のバレンタインを思い出してみてよ

学校中大混乱だったでしょ?

まあ俺たち2人以外にもテミンとか

卒業しちゃったユノ先輩とか・・・」


ルハンに言われてシウミンは去年の事を思い出す

確かにルハン以外にもたくさんもらって大騒ぎになった人達もいた

でも去年のルハンの人気は断トツだったような気がする・・・

シウミンは自己嫌悪になった去年を思い出して瞳を伏せた


「だから混乱を少なくするためにも俺たち2人は臨時休業するの」


「・・・・・・」


「俺!!!!すっごい焼きもち焼きなんだよ!!!!

俺の大事なしうちゃんが

告白されたりチョコもらったりするの嫌なんだ」


凄い事を言われてシウミンの頬が赤く染まる


「そんな・・・お前の方こそ凄い人だったジャン・・・」


「俺しうちゃん以外には興味ないもん!!!!

しうちゃんと出会う前と違って今はしうちゃん一筋だもん

エッチだってしうちゃん以外とは出来な・・・うぐっ・・」


明るくさわやかなcaféで

突然凄い事を言い出したルハンの口を

シウミンが慌てて塞いだ


「俺だって・・・ルハン以外は興味ないよ・・」

シウミンの口から満足な言葉を引き出せて

ルハンはニヤリと笑う


「バレンタインは2人っきりで旅行に行こうね・・・

そして思う存分愛し合お・・・うぐっ」


「分かったから・・・声大きいよ・・」


愛の逃避行のために

2人は学校をさぼる相談を始めた




SM学園理事長室

「今年のバレンタインどうなるのかな・・・

ユノとチャンミンが卒業したから少しは納まるかな」

学園長のイトゥクがソファに座って心配そうに話し始める


「おっそうだ・・・問題児ルハンから休暇願が出てるぞ」

理事長のヒチョルが自分宛てに直接きた書類をイトゥクに渡す


「バレンタインの混乱を避けるために休むから

『公欠』にしてほしいって内容」


「去年は大混乱でしたからね~

他校の生徒まで入り込んでの大騒ぎでしたよ」


紅茶を運んできたリョウクが

自家製のチョコクッキーを添えて2人に差し出した


「それにしても・・・うちって男子校なのに・・・

なんでこんなにバレンタインで盛り上がるんだろう・・男子同士で・・・」

イトゥクがため息をつきながら小さく呟く


「そんなの知らねぇ~けど伝統だよな」

ヒチョルがリョウクに向かって言うと


「ヒチョリヒョンとトゥギヒョンの時代なんか

もっと凄かったじゃないですか」


「男子校なのになぁ」そう言うとヒチョルはゲラゲラと笑った

ちなみにSM学園の周囲にある学校も全て男子校である・・・




おしまい
プロフィール

宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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