願う ~6~

願う~6~


足を失った事実を受け入れる事が出来ず

しばらくルハンは感情を失い人形のようになっていた

体は回復していきチューブなど外されていったが

いくら話しかけても返事をしてくれることも無く

ぼんやりとしている・・・・

ミンソクの大好きな笑顔を見せてくれることがなくなった


それでもミンソクは一生懸命にルハンに話しかけて世話を焼き続けた

返事をしなくても、ミンソクはルハンの要望を上手に汲み取ることが出来き

ベテランの看護師も舌を巻くほどの献身ぶりだった


しばらくして

ルハンの腰の具合が良くなってきたので車いすの利用が許可された

ミンソクはルハンを車いすに乗せて

気晴らしに庭を散歩することにした


すっかり痩せてしまったな・・・


ルハンを抱き上げて、筋肉が落ちてしまった体を

丁寧に車いすに座らせる


ミンソクを映してキラキラと輝いていた瞳は

何も映していないようにどんよりと濁ったままだった


車いすをしばらく押していくと

芝生が植えられている小さめの広場がある

小児病棟の建物が近くにあるので

入院中の子供たちの遊び場所になっていた

広場の横にベンチがあったのでルハンの車いすをとめて

ミンソクはベンチに腰をおろす


広場は子供たちの笑い声でにぎやかだった

木陰になるようにルハンの車いすを少しずらしながら

いつも通りにミンソクはルハンに話しかける


「いつの間にか夏が終わって行くんだな・・・特にこっちでは

秋が来るのが早いんだね・・・」

ルハンからの反応はもちろんない・・・

それでもミンソクは笑顔で話しかけていく


そこに

コロコロ・・・

ボールが転がってきた・・・

子どもが遊びで使うサッカーボールだった


「Per favore raccolga una palla」


ルハンはその声にハッとして

転がってきたボールをしばらく見つめると

声をかけてきた少年の方を向いて小さくうなずいた

そして車いすの足元に転がってきたボールを

手を伸ばして拾った


「Grazie !!!」


ボールを追いかけてきた少年がルハンに大きく手を振る

ルハンはボールを少年に向かって投げると

少年に向かって手を振って

それからミンソクに向かってほほ笑んだ


「俺・・・ずっとサッカーしかしてなかったな・・・・

サッカーのない生活なんて・・・全く分からないよ・・・

俺・・・これからどうしたらいいんだろう・・・

どうすればいいと思う?・・・・ミンソク?」

そう言うとミンソクの事を見つめた


さっきまでとは違い、しっかりと意思の通った瞳だった

ミンソクはルハンが覚醒した事に安堵し

車いすに座っているルハンの手を優しくにぎりながら話をする



「今すぐに答えを見つけなくてもいいんじゃないかな?

とりあえず今は体を回復させて・・・

それから普通の生活が出来るようにリハビリ頑張って

退院してソウルに戻れるように・・・そっちが先だと思うよ」


「う・・ん・・」


ルハンはミンソクの言葉に納得したかのように小さくうなずき

それから何かに気づいたように目を見開いてミンソクに尋ねる



「お前・・・ミンソク・・そういえば・・仕事どうしたんだよ」


ミンソクは今更の質問に小さく笑うと

ルハンはそれに気づいて唇をとがらせながら頬を膨らませた


「今は休職中だよ・・・弁護士事務所に理由を説明して無期限の休職中」


「それって・・俺のために?」


「そんな顔するなよ・・俺の弁護士資格は国家資格だからさ・・・

たとえ今の事務所クビになっても大丈夫・・・ただ収入ゼロだけどな」


「ごめん・・」


「俺さ・・・お前が意識不明の時に思ったんだ・・・世間体の事なんか考えずに

自分のやりたい事をやろうって・・・だから俺がお前の世話をしたくてしてるの」


「・・・・・」


「ルハンを失う事を考えたら、眠れないくらい怖かった・・・

ずっと隠していた想いを打ち明けずに逝かれてしまったら・・・

後悔してもしきれないって・・・・」


「え?」


「俺・・・お前の事が好きなんだ・・・ずっと前から・・・

『親友』って言葉でごまかしてたけど・・・この気持ちは親友なんかじゃない」


ルハンは想定外の言葉がミンソクの口から発せられて

驚きのあまりに言葉が出なかった


その様子をみたミンソクは自嘲気味に笑うと

「ごめんな・・ルハンにとって俺は親友だよな・・」と続けた


すると急にルハンが大きな声で叫んだ


「違う!!!!」


「俺も親友じゃない!!!!!」

ルハンの言わんとすることが伝わらずにミンソクはキョトンとしている


もどかしくなったルハンは

自分の手を握っているミンソクの腕をひっぱった


うわっ!!!!


ミンソクは車いすに覆いかぶさるような体制になった

お互いの顔がすぐ間近にある・・・しばらく見つめあう状態となって



ルハンは意を決したようにミンソクの唇に自分の唇を重ねた
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こんばんは(*´∇`)

切ない悲しい(´;ω;`)
でもやっと通じあえたんですねぇ、、(T-T)


更新楽しみに待ってます<(_ _*)>

いつのまにか

お話が進んでますた・・・が
まとめて読めて感慨もひとしおです

るぅの心の傷は簡単に癒せないでしょうけど
ミンソクがそばにいてくれたら
きっと上を向けるのだと思います

そして、お鈍なミンソクは通常だね^^

Re: こんばんは(*´∇`)

> aさんへ

コメントありがとうございます

なかなか更新できずにすみません

ヘタレ鹿とお鈍包子のために中々気持ちが繋がりません
妹のユナは、とっくに気づいているのに本人たちは時間かかって・・・

更新も時間かかって・・・すみません・・・

Re: いつのまにか

> あんさんへ


ヘタレ鹿とお鈍包子で(笑)本当にやっと通じました

更新おそくてすみません・・・頑張ります・・・
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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