出会い  プラネットより愛を込めて番外編

[出会い] プラネットより愛を込めて番外編


多分・・・今回は死ぬかもしれない・・・

混沌とした意識の中でシウミンはそんな事を考えていた


プラネット国情報部の少佐であるシウミンは

今回は某国のスパイ活動の拠点となっている企業への潜入捜査に加わっていた


本当に些細なことから拘束されて、拷問に等しい尋問を毎日受けている

部屋に同時期に拘束された自称泥棒の若い男と

2人で監禁生活となって10日が過ぎた


タオと名乗る若い男は「屈辱で死にたい」と泣いていたので

「死ぬのはいつでも出来る・・今は生き延びることを考えろ」と

励ましの言葉をかけ、気を紛らわすためにいろんな話をするようになった

もともと人懐っこいタイプだったのかタオはすっかりシウミンに懐いて

「しょーさ」「タオ」と呼び合うようになった



秘宝を盗むために潜入してきてドジって拘束されたタオは

毎日拷問状態のシウミンを心から心配し

拷問を変わってあげたいと言って泣く・・・・


ボロボロの姿で戻ってくるシウミンは本当の弟のようにタオを気遣って

心折れそうな時でも気丈にふるまう事ができた


「もうすぐルゥちゃん達が助けに来てくれるから

だから・・しょーさ頑張って!!!!!」


タオがいつも話をする「ルゥちゃん」

いつの間にかシウミンにとって興味深い人物となる


「ルゥちゃんは天使みたいに超かわいいんだけど・・・

悪魔みたいに超怖いの・・・タオの事いつも思いっきり蹴るんだよ・・殴るときグーなの」


「ルゥちゃんに『可愛い』って言っちゃダメ・・・

ルゥちゃんは『男の中の男』を目指しているから」


「ルゥちゃんはサッカー選手になりたかったから

サッカーが超うまいんだよ~」


「へぇ~俺もサッカー選手になりたかったんだ・・・

ここから出られたら一緒に試合でもしたいかもな」



シウミンの心の中にはまだ会ったことのない「ルゥちゃん」で

いつの間にか一杯になっていた


タオの話を聞いていると愛されないで育ってきた自分の知らない世界を感じて

羨ましくまた微笑ましく思う


タオ達が美術品泥棒を始めた理由も「暇つぶしのため」という事に驚いた

「みんな超お金持ちだからお金のためじゃなくて、

悪いことをしている所から泥棒してお金に困った所にあげるの・・・

タオたち『義賊』やってます」


そんなタオと励まし合いながら頑張ってきたが

今回の尋問はかなりきつかった


あばらが数本折れたかもしれない息がくるしい

後・・・歩けないように腱も痛められた・・・自分では歩けないし動けない


いつまでも口を割らないシウミンに

苛立ちを覚えた敵側の拷問に近い攻めが始まった為だった


「しょーさ・・死なないで・・頑張って!!!!」

タオが泣きながらシウミンの体を抱きしめる


もうダメかな・・・俺・・・シウミンがそう思った夜

2人の状況は一変する


シウミンの体を抱きしめながらタオがウトウトとしていると

天井でギシギシという音が微かに鳴り響いた


ねずみにしては大きいな・・・シウミンがぼんやりと天井を眺めていると

端の方の天井板がめくれ、そこから人影が降りてきた

「タオ・・・大丈夫か?」

「ルゥちゃん!!!!!待ってたよ!!!!!」

タオが顔をくしゃくしゃにして口を尖らせながら答えた


ルゥちゃん?????


シウミンがタオの言葉に反応して顔を少し動かすと

そこにはオールバックの髪型で目つきの鋭い美丈夫な青年が立っていた

天使というより太陽神アポロンのような凛々しい姿だった


こいつがルゥちゃん????想像と違うじゃん・・男前だな・・・


消え入りそうな意識の中でシウミンはそんな事を感じ

助けに来てくれたという安堵からか意識を失った


「タオ・・・その人は誰だ?」

「しょーさ。一緒に捕まってしょーさだけ毎日拷問されてたの」

「拷問? 情報部関係者かな?」


ルゥことルーハンはそう言うと

タオの腕から意識のないシウミンを受け取った


酷いな・・・あちこち骨折しているし

腱も切れているかもしれない・・


拷問の痕が残るシウミンの体をみて少し眉をひそめた

その時痛そうにシウミンの顔がゆがむ・・・


ドキン・・


ルーハンの心臓が急に激しく鼓動し始める

シウミンの顔を見てルーハンのドキドキが止まらなくなってくる


なんだ・・なんだこれは・・・この感情は・・・


「ルゥちゃん一人で来たの?」タオの呼びかけに何とか平常心をたもち

「クリスが外で騒ぎを起こしている・・・レイも爆弾を仕掛けているから

爆発音がしたらすぐに逃げ出すからな」そう言ってシウミンを自分の肩に担ぎあげた


扉の鍵を難なく開けて廊下に出ると、すぐに爆発音があちこちでし始めた

「タオ!!!!お前はけがしてないみたいだから自力で逃げろ!!!」

「え?」

「俺はこの人を担いで走るからな!!!!」

「ええええ??????」

「迷子にならないように、しっかり俺の後を走って来いよ」


そういうとルーハンはシウミンを担ぎ上げたまま走り出した


「ルゥちゃん!!!!!待って~!!!!タオを置いていかないで~!!!!」










俺・・・やっぱり死んだんだな・・・タオごめんな・・

天国ってあるんだな・・・天使が俺を見つめて泣いている・・・

ん? 天使? あれ? この顔どこかで見たぞ・・・・・


シウミンがぼんやりと目を覚ますと病院のベットの上だった

天使だと思ったのは気を失う前に見た「ルゥちゃん」

シウミンの手を握りしめたまま涙を流している


「しょーさ!!!!気が付いたんだね~良かった~」

タオの声がして自分は死んでない助かったんだと理解した


ぼんやり周囲を見回すと数人のイケメンが自分を見つめている

雰囲気からして多分タオの仲間の『義賊』なんだろう


「肋骨が数本折れてて肺に刺さるとこだった・・・

あとアキレス腱もやばかったみたいだよ」


周囲からクリスと呼ばれたモデルのような顔をした男性が

シウミンの現状を説明してくれた



で・・・目の前のこの「ルゥちゃん」は何で俺の手を握りしめて泣いているんだ?


シウミンの???????だらけの顔に気づいた別の男性が

えくぼの目立つやさしい笑顔でシウミンに説明をしてくれた


「少佐は3日間こん睡状態から目覚めなかったんだよ

このルーハンは毎日少佐の手を握りしめてお祈りしてたんだ

だから目覚めて嬉しくて涙腺崩壊中なんだよ」


「み・・3日・・も・・か?」


目の前のルーハンと目があった

涙だらけの顔だけど必死で笑顔を作っている


なんか・・・可愛いな・・・


シウミンの心臓がドキンとする


「君が助け出してくれたんだね・・・ありがとう・・・」

シウミンが上手く口が回らずにたどたどしくお礼を言うと

ルーハンはシウミンの手を握りしめたまま何度もうなずいた

これが2人の出会いだった




愛されないで育ったシウミンは「愛」というものが良くわからなかった

物が沢山ある中で育ったルーハンは「真実の愛」が分からなかった

全く違う環境で育った2人が出会いそれぞれ特別な感情を持ち

お互いの気持ちが通じるまで少し時間がかかった



ルーハンは「本能で愛する」性質を持っていたが

シウミンは「理性で愛する」性質を持っていたために

分かり合えるまで時間がかかってしまう


それからルーハンが自分の気持ちに気づいて

シウミンに猛アタックを開始する

その時にはすでにシウミンも自分の気持ちに気づいていたのに

なかなか靡かないのは「愛されることに慣れてなかった」からだった





「痣になってるね・・・」

愛し合った後にお互いの温もりを感じながら微睡んでいると

ルーハンがシウミンの肌に残っている拷問の痕を

そっと撫でながら呟いた


「ハニ・・あの時お前が来てくれなかったら俺は死んでたな」

「あれは運命の出会いだったんだから」

シウミンがこの時の話をするとルーハンはいつもそう言って笑う


大事な仲間を助けに行って「運命の人」と出会えて・・

だから「助けられた」って思いはもうおしまい!!!!!



毎回そう言ってルーハンはシウミンに優しく口づけをする


そんなルーハンのポジティブさがシウミンは大好きだった

同性同士の愛の営みで愛される側に回っても

ルーハンが相手だから嫌悪もなく自然と受け入れる事ができた


愛に飢えていたのかもしれない・・・

沢山の愛情を注いでくれるルーハンは

自分にとっても「運命の相手」だったんだろう

「ハニ・・・愛している」

「ミニ・・・絶対に離さないからね」




2人きりの時は素直に甘えてくるシウミンが

人前ではかなり冷たい対応に

今ではすっかり慣れたルーハンは

「俺って・・・しうちゃんに対してだけのドMだったんだな」と

ぽつりとつぶやいた


それを聞いたレイが笑いながら

「ギャップ萌えがいいんでしょ? 2人だけの時の呼び方もあるんでしょ?」と言う


「普段男らしくて超カッコいい少佐が、

俺の腕の中で可愛く甘えてくるのは最高に萌えるね・・・」

と顔面崩壊させて惚気まくるルーハンだった









おわり


以前に書いたものですPCが復活したのであげました
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Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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