喫茶 うたかた 中編

[喫茶 うたかた] 中編



バリバリ

パシッ

パシッ

ドーン


店内に響き渡るラップ音

ベッキョンは子供の頃に見た映画を思い出していた


歳の離れた兄と従兄と夏休みに見たDVDは

屋敷に霊がとりついているホラーものだった

あまりの怖さに夜中にひとりでトイレに行けなくて

小学校3年生にもなっておねしょをしてしまった・・・・

その事は人生最大の汚点となって今でも心に残っている

あの時見た映画にもこんなシーンがあった・・・・

ぞわっ・・・ベッキョンの体に悪寒が走る



「怒ってる・・・」


ベッキョンの呟きに、レイが何故か楽しそうに答える

「うん・・怒ってるね」


チャニョルは座っていた椅子が払いのけられて

そのまま床に投げ出され、這いつくばる格好となっている

彼の目の前のコーヒーカップがガタガタと揺れて止まらない


やばい・・・


ベッキョンは本能でそう悟ると

床にへばり付いたまま呆然とするチャニョルの腕をとって

店の天井に向かって叫んだ



「ごめんなさい!!!!!!こいつは俺が責任もって連れて帰ります!!!

だから怒らないでください!!!!もう絶対に同じ事させませんから!!!」


「ベク?」

ベッキョンは荷物と

ぽかんとするチャニョルを抱えるようにして店から出ていった

「チェン!!!!後で連絡するから!!!!本当にごめんなさい!!!!」


2人が店から出ていくと

吹き荒れていた風はおさまり

バキバキと煩かったラップ音も全くしなくなった


ジャズが流れている普通の喫茶店の風景に戻っている

チェンは今何が起きたのか理解するのに頭を抱えていたが

レイとシウミンが全く動じていなかったことが不思議で

2人に説明を求めるように眼差しを向ける


**************************************************


「ベク・・・何が起きたの?・・・」

とりあえず駅前まで走って来てマックに飛び込んだ2人は

ぜーぜーとする息を整えてから

ポテトと飲み物を注文して席についた


「チャニョル・・・お前・・あの店に嫌われたぞ」

え?

チャニョルが大きな瞳を

落ちてしまうのではないか位見開いて驚く


ベッキョンはカバンからタブレットを取りだすと

あれこれ検索を始めた


「やっぱりな・・・」


「ベク・・・何がやっぱりなの?」


「あの店・・・霊に取りつかれているぽいぞ」


ベッキョンがSNSを検索していると

シウミンの店の評判が出てきた


大体はコーヒーが美味しくてマスターが可愛いとの書き込みだが

時々恐怖体験をしたという内容もあった

恐怖体験をした人々の共通点は、チャニョルと同じ事をした人達

つまりマスターのシウミンに手を出そうとしたり、好意を持った人達だった



「お前・・なんで初対面の人に手を握ったり、

付き合ってくれって言うかな・・・」


ベクが呆れたように呟くと


「だって・・あのマスター可愛かったじゃん・・・

もろ俺の好みのタイプで・・・男だけど・・・気づいたら告白してたんだよ」


チャニョルが頬を染めながらヘラヘラと話す横で

ベッキョンはカウンターの隅に置かれていた写真を思い出した


「マスターは多分誰にもなびかないだろうね・・・

置いてきたチェンが事情を聞いてくるだろうから・・・

そうしたらお前・・・マスターは諦めたと店に謝りに行けよ」


ベッキョンの言わんとする事が分からず


「なんで? 」と首をかしげるチャニョル


「お前・・・あの店の霊に敵と認定されたんだぞ!!!!

俺はお前が霊にとり殺されるの見たくないの・・・・

あーっ!!!!ガキの頃に見たホラー映画思い出しちゃったよ~

俺のトラウマ~!!!!今夜は1人で寝たくない気分だ!!!!」


「じゃあ俺と寝る?」チャニョルが笑顔で聞いてくると


「ボケっ!!!!」とベッキョンは


テーブルの下のチャニョルの足を蹴っ飛ばした



******************************************************


「ルハン・・・落ち着いたか?」

シウミンが空間に向かって呟いた


「シウミニヒョン・・ルハンって・・・

ルハニヒョンは事故で死んだんじゃなかったの?」


チェンの問いにシウミンは泣きそうな顔をしてほほ笑んだ


「あのね~ルハンはそこにいるんだよ~」

何もない空間を指さしてレイは言うと

その言葉に返事をするかのように照明がパチっと明るくなった

「なかなか信じられないよねぇ~

でもシウミンに未練あって執着しすぎてこの人・・・」

え?

「ルハンはねぇ~幽霊になってこの店にとりついちゃったの」

レイが世間話でもするかのように淡々と説明を始めた
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非公開コメント

お久しぶりです<(_ _*)>

素敵なお話(*´-`)

るぅならあり得る!!笑

にょるヤバイですね(゜゜;)

更新楽しみに待ってますヾ(=^▽^=)ノ

Re: お久しぶりです<(_ _*)>

> aさんへ

お久しぶりです。コメントありがとうございます

あまりにもくだらなくてすみません・・・

死んだルハンさんからの文句話←

番外編で予定してますので待っててくださいね
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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