喫茶 うたかた 後編

[喫茶 うたかた]  後編



チェンが高校に入学した時には

ルハンは自分の学校だけでなく周辺の高校でも

サッカー部のアイドル的存在で超有名人だった

顔も良ければ性格も良くサッカーも上手・・・

まさに神は彼に二物も三物をも与えていると言われていたのだ


そのアイドルの親友でサッカー部のキャプテンがシウミン

レイはルハンの幼馴染だった

チェンはたまたま知り合ったレイ経由で

ルハンとシウミンに可愛がってもらっていた


チェンが大学を卒業して社会人になった頃

異常なほど仲の良かった2人が

親友という枠組みを超えて

生涯のパートナーとして真剣に付きあっている事を知った


周囲は驚きながらも祝福し

仲間内での結婚式を予定していた数日前に

ルハンが事故に巻き込まれて死んでしまった・・・のが1年前

シウミンはショックで自殺を図るが未遂で終わった・・のが半年前の事

今では立ち直って喫茶店を経営している・・・とチェンは仲間内の噂で聞いていた



「ルハニヒョン・・・

シウミニヒョンへの執着半端なかったですもんね

普通に考えても成仏なんて出来ないでしょう」

チェンの呟きにレイが困った顔で続ける


「そうなんだよ~で・・困ったことに・・・

僕は・・・ルハンの姿が見えるの」


「へ?」


「ルハンに会いたくて仕方ない俺には見えないのに・・・」


シウミンが小さくため息をつく

チェンの前に置いてあるカップが

返事をするようにカチンと小さく音をたてた


外はすっかり暗くなってきている

ベッキョン達が慌てて出て行った時に

シウミンが閉店の看板を出したため

客は入ってくる気配はない・・・


もしかしたらルハンが入れさせてないのかもしれない


「でも感じるんだ・・見えなくても・・ここにルハンがいるって

俺にはわかるんだ・・・レイ? 俺の背中にルハンいるんだろう?」


レイはシウミンの背中を見つめると


「うん・・・分かるんだ~すごいね~

ルハン今の言葉ですごく嬉しそうに笑ってるよ・・・

こんな感じに抱きしめてる・・・」



レイは自分の横にいたチェンの後ろに回り

やさしく慈しむように抱きしめた


シウミンはその様子を涙でうるんだ瞳で見つめ

「ルハン・・・ハニ・・・今でも愛しているよ・・ずっとお前だけだよ・・」

自分の背中にいるだろう恋人に愛の言葉を告げる


ふわり・・・


その場の空気が柔らかく変化したようにチェンは感じた

まるでルハンが喜んでいるかのようだった



むかし・・・暗くなった学校の廊下の隅で

シウミンを黙って後ろから抱きしめていたルハンの姿をチェンは思い出した


うっとりとした表情でシウミンの肩に頭を預けていたルハン・・・

幸せそうに抱きしめられていたシウミン・・・


偶然見かけてしまったその姿は美しい絵画のようにチェンの脳裏に焼き付いた

きっと今も同じような表情をしているんだろう・・・



あと数日で秋夕・・・その日はルハンの姿が見れるかも知れないよ・・と

レイが意味深な笑顔でチェンに伝えると

何故かシウミンも頬を赤らめて

「秋夕は霊の力が増すらしいんだ・・」と呟いた

「秋夕にまた来ます・・」そう言い残してチェンは店を後にした




秋夕は祝日となるために会社は休みとなる

チェンの話を聞いて

ベッキョンはチャニョルを連れて謝罪しに行きたいから

是非一緒に連れて行ってほしいと言った


ベッキョンは子供頃に見た映画のトラウマからなのか

とりついた霊を怒らせたのでチャニョルが殺されるとでも思ったらしい


3人でお供え物と花束を持ってシウミンの店に行くと

扉には「貸切」の紙が貼られていた


「チェン~来たね~」レイが嬉しそうに声をかけてくる

ルハンの姿が見えるレイは

(妖精さんとか小人さんは昔から見えたけど

幽霊はルハンしか見えない・・らしい)


今はルハンの通訳兼ウェイターとして喫茶店で働いている

(ルハンに泣きつかれてそうしていると後日チェンは知った)



「うわーっギョンス~久しぶり!!!!」


「チェン!!!!元気だった?

今日はルハニヒョンの好きだったケーキ焼いて来たんだ」


ギョンスはサッカー部のマネージャーをしていて

チェンと同級生だった

シウミン達が卒業した後に入ってきたカイと

今日は一緒にやって来ていた


シウミンが飲み物をみんなに出すと

お互いの近況を報告しあう


他にも来たがった仲間はいたけど予定が合わず

今日はカイとギョンスとチェンの3人と

チェンの同僚のチャニョルとベッキョンの5人だった


自己紹介の後の話によると

仲間で集まるのはルハンの葬式以来だそうだ


談笑がひと段落するとレイがカウンターの奥の方を確認してから

「今日のサプライズ~ルハン登場です~」と皆に声をかけた



カウンター席は行き止まりになっている

今まで誰もいなかったその席に

ゆるふわパーマのかかった茶髪の綺麗な顔をした男性の姿が現れた


「うわっ!!!!」

突然現れた男性にチャニョルはびっくりして大きな声をだした


「まじ・・・ヒョンだ・・・」

カイが放心したようにぽつりと呟いた


「るはに・・ひょん・・・」

ギョンスが大きな瞳をさらに大きくして見つめる


「すっげー綺麗な人・・・」ベッキョンもルハンの綺麗さに驚いてる



「やっと実体化できた~!!!!秋夕期間は霊力が増幅するって話だったけど

ほんとだったね~あーっ!!!これでしうちゃんの事を触って感じることが出来る」

ルハンはそう言うと体をほぐすかのように伸びをひとつした


「しうちゃ~ん!!!!!会いたかったよ~会いたくて死にそうだったよ~」

そしてシウミンに思いっきり抱きついた


「あのさ・・・ルハン・・・

他のみんなも君に会いたくて来てるんだけど・・・」

レイがやれやれという様なそぶりをする


「会いたくて死にそう・・・ってヒョンもう死んでるし・・」

カイがぼそっと言うと


「ルハニヒョンって死んでもルハニヒョンなんですね・・・

何とかは死んでも治らないって・・・ほんとなんですね」

ギョンスも顔色一つ変えずに酷い事を言っている


言われた本人はただひたすら

愛しいシウミンをぎゅうぎゅうと抱きしめていた


「チェン・・・あのルハンさんって・・・もともとああなの?」

ベッキョンはチェンの肩をつついて尋ねる


「うん・・・変ってない・・あのまんま・・・・

優しくて楽しくて皆に慕われてたけど・・・

シウミニヒョンが絡むと

すっごく残念な人になっちゃうの・・・・

あまりにも生前と変ってないから

なんか涙出て来ちゃった・・・」


見るとチェンの瞳から涙が一滴流れている

カイもギョンスも目がうるんでいた


あの人・・・みんなに愛されていたんだな・・・

ベッキョンまで鼻の奥がツンとしてくる・・・もらい泣きしそうだ・・・



みんなの手前恥ずかしがって

無駄に抵抗していたシウミンに

ルハンは力づくで濃厚なキスをすると、

やっと顔を離して皆を見てほほ笑んだ


久しぶりの再会にみんなルハンにいろんな事を聞いてくる

ルハンはシウミンを自分の膝の上に乗せて抱きしめながら

みんなとの話に花を咲かせていた


「じゃあ・・・ずっと力を使えるように

いろいろトレーニングしていたんですね」


「うん・・・秋夕だと実体化できるって聞いて

死ぬほどトレーニングしたよ」


「死ぬほどって・・・ヒョン死んでるし」


カイの突っ込みを軽くスルーして

ルハンはシウミンの体をなでまわしている


「ちょっ・・みんなの前だから止めろよ」


シウミンの制止も聞かずに

ドンドンと行為はエスカレートしそうだ


「必死でパワトレして実体化したのって・・・

シウミンさんのためですか?」

ベッキョンが気になる点を皆の代わりに質問する



「あったりまえじゃん!!!!!

愛するしうちゃんとエッチするためじゃん!!!!」


当然だろうと整った顔を惜しげもなく崩しながら

ルハンは高らかに周囲に宣言する


胸に抱きしめているシウミンは恥ずかしさのあまり

両手で顔を覆ってしまって

表情が見えないが耳が真っ赤だ


ああ・・・やっぱり・・・この人は・・・こういう人だった・・・


そんながっかりした空気が周囲に漂い始めた時



「ルハンさん!!!!すごいっす!!!!俺・・・尊敬します」

黙って一部始終を見ていたチャニョルが

目を潤ませながら口を開いた


はぁ?


ベッキョンが驚いてチャニョルの顔を見つめると


「ベク・・ルハンさんって凄いよな・・

恋人のためにこの世に幽霊として残って

恋人の窮地を救い、

寂しい思いをしている恋人の体を慰めるために

パワトレして実体化までしてるんだぜ」

感動して瞳はキラキラしている


(ニョル・・・そこに感動しているのか?

なんかお前の焦点ずれてるし・・まあいつもの事だけどさ・・)


ベッキョンが呆れて言葉を失っていると


「お前・・・

この間は、しうちゃんの手を握ったりしたからムカついたけど、

本当は良い奴なんだなぁ・・・」


ルハンが笑顔でチャニョルに言った

その様子を見たベッキョンは

こっそりと安堵のため息をつく・・・

これで映画みたいに殺されることは回避された・・


チェンはそんな様子をみて

ルハンが不機嫌になってくるのに気づいた

周囲に対して笑顔で話をしているが瞳が全く笑っていない

高校時代もこんなことが良くあったっけ・・・




ギョンスも気づいたようで、カイに耳打ちして帰り支度を始めている

レイに目配せするとレイも苦笑しながら帰り支度を始めた


「1年ぶりだからねぇ~気持ちは分かるけどさ・・・

ルハン!!!!シウミンの体いたわってよ」


「さあ・・・帰ろう!!!!みんな!!!!

ヒョンに獲り殺されないうち!!!」


「分かってんならさっさと帰って!!!!!

俺たち2人っきりにして!!!!」


みんなが気を利かせた事に

ルハンは満足して最上級の笑顔で皆を送り出した


シウミンはルハンの胸に顔を隠したまま

耳だけでなく首までも真っ赤になっている


「ルハンさん!!!!頑張ってください!!!!」

チャニョルが親指を立ててウインクをすると

「おうっ!!!任せとけ!!!!」

ルハンも同じポーズで答える


「ルハニヒョン・・・また会いたいです」

「実体化以外でも会えるように

スキルアップしてくださいね」

「また来ます~」




ガチャン


店から出ると早々鍵のかかる音がした

あまりにも分かりやすくて皆が笑いだした


「もうシウミニヒョンが

毎日泣いて暮らすことはないですね」

ギョンスがレイに向かって呟く


「パワトレに励んでレベルが上がると

鏡を介して話をすることも出来るって

ルハンは幽霊友達から教わったみたい」


幽霊友達って・・・すごいな・・・

ベッキョンが変な所に関心する


「なんか・・死んでもルハニヒョンは変わってない・・・

シウミニヒョンが死ぬまで獲りつくんでしょうね」


「そうだね・・・死ぬ程恋焦がれてやっと手に入れた愛する人だもん

死んだ位じゃ手放すわけないね・・・ルハンは・・・」

レイの言葉にその場にいた皆が納得をする


「2人を祝福するためにこの後飲みに行きましょう!!!!!」

チャニョルの発案にみんな頷きながら

夕方の街に繰り出していった



その後ルハンはスキルアップに成功し

鏡を介して友達らと話が出来るようになる

秋夕じゃなくてもパワーを貯め込んで

実体化出来るようにもなった



愛の力は偉大である


そうまさにエロパワーは岩をも動かす・・・・




おしまい




*「秋夕」・・・チュソク 韓国での日本のお盆にあたる風習 9月下旬 アイドルの韓服姿がSNSに上がります



くだらなくてすみませんでした・・・

この話のルハンさんsideの続編があります
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こんばんは(*´∀`*)

るぅ、、、凄い!!!笑

とんでもない
情熱と執着ですね(●´mn`)笑

るぅが
シウちゃんが死ぬのを止めたんですよね?

そして
自分が霊でもなんとか
シウちゃんに触れられるように努力する、、、

愛ですね(≧▼≦)!!!


るぅサイドのお話も楽しみです(*´∇`)

CP

ルハンの執念!!1歩間違えれば怨念ですが、それでもしうちゃんは嬉しそう。
今回はそれぞれカップルのようでドキドキ。
最近はカイドにドップリです。
もうすぐリューションが始まるしイルデ!
東京ドームですか?

ホンギのソロもある!
時間とお金が足りません。

シウドもありですか!

Re: こんばんは(*´∀`*)

> aさんへ

コメントありがとうございます

愛です
ルハンの行動はすべて愛からです

そして話は長くなってしまいました・・・後編に続きます(笑)

Re: CP

> しーさんへ

コメントありがとうございます

執念が怨念に・・・そうです(笑)
幽霊友達の出現で後編に続きますです

東京ドームに土日で行きます

シウドは・・・私の中で83lineみたいなもんですね
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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