包子に惚れる 2

[包子に惚れる] 2


~ミンソク~


ミンソクが小学校五年生の時に父親が亡くなった

ミンソクの父親は大道芸人でピエロをしていた


子供たちの施設の慰問やイベントでの活動が主で

収入的にも苦しいものがあったと思う

ミンソクと妹そして両親の四人が食べていくには

贅沢しなくてもぎりぎりだったのかもしれない

そんな時に父親が急死する


その日も子供たちを集め

広い公園のイベントスペースでピエロの芸を披露していた

そこに暴走する車が突っ込んできて

子供たちをかばった父親は車にはねられたのだった



ミンソクの母親はミンソクと妹を連れて自分の故郷に戻り

祖父母と同居して何とか食べていくことが出来た



ミンソクは思春期特有の潔癖さから

父親の大道芸人という仕事に理解を示さなかった

一番悔しかったのは

亡くなった父親の顔を思い浮かべようとすると

ピエロの化粧した顔しか浮かばない事だったからかもしれない


ピエロというものを忘れ去るようにして生活していたミンソクが

高校三年となり大学進学を控えていたある日

母親が古ぼけたカバンと一枚の写真をミンソクに渡した



それは父親が愛用していたピエロの道具の詰まったカバンと

ピエロに抱きついて最高の笑顔を見せている子供の写真だった


ピエロは父親で抱きついているのは小学校低学年の頃の自分

母親は何も言わなかったがその写真には愛があふれていた


そして今まで忘れようと蓋をしていた感情があふれ出てくる・・・



とうさん・・・

僕は・・父さんのピエロが大好きだった・・・

魔法みたいに色んな事ができる父さんが自慢だった・・・

そして僕はこんなにも父さんに愛されていたんだ・・・

写真のピエロは愛おしそうに自分を抱きしめている

ミンソクの瞳から涙があふれ出て止まらなくなった・・・・


父親の愛用していたピエログッズから

初心者向けのものをいくつか選び

写真と一緒にソウルに持ってきていた


独学ながらピエロの練習をして

バルーンアートなら出来るようになり

イベントなどで子供たちを喜ばせる位にはなれた


でも先日のオーディションに落ちてから

まだまだ修行が足りないと自覚して

空いている時間に空いている教室を拝借して

ピエロの練習をしていたのだった


今も練習をしていたら

乱暴にドアが開き

教室の中に転がり込んできた人物があった


このひと・・・サッカーの試合にでてた・・・ルハン・・・


あまりにも突然な出来ごとに

ミンソクは驚いたまま立ちつくしていた



~ルハン~



鍵が開いていたドアを開けて

夢中で逃げ込むと呆然とした顔のピエロが立っていた


へ?

なんでピエロがいるんだ?


ルハンも驚いてピエロの顔を見つめていると

廊下の方から自分を探している怒鳴り声が聞こえてきた


「うわっ!!!!まぢ殺される・・・」

ピエロが首をかしげてルハンを見つめているので


「ごめん・・俺見つかったらやばいんだ・・・

お願いかくまってくれる????」

そう言って教室の後ろの方の物陰に体を隠した


「ルハーン!!!!!!」

ルハンが隠れると同時にドアが激しく開けられた


「うわっ!!!!何? あんた?」


「ピエロ?」


「なんでピエロがいるのよ」


「ルハンいないの? あいつ何処に逃げやがった????」


綺麗に化粧もおしゃれもしていた女性達は

怒りにまかせて乱暴な口を聞いている


怒らせると本性が丸見えになるって・・・本当だなぁ・・

どんな美人でも怒った顔って醜いな・・・・


ルハンは物陰から怒りで不細工になっている女性たちを

他人事のように眺めていた


「ねぇ? あんた・・この部屋に金髪の男が入ってこなかった?」

ソヒョンが

自分達の目の前で小首をかしげているピエロに話しかけた


?????

ピエロは一言も口をきかず

オーバーなリアクションで知らないと答えた


「すっごいイケメンの軽そうな男なんだけどさ」

今度はユナが聞いてくる


ピエロは少し考えたようなポーズをしてから

パンッ!!!と手を打ってドアの向こうを指さし

それから走り去るマネをしてみせる


「あっちの方に走って行ったってこと?」

ピエロはその言葉に大きく頷き両手で丸をつくった


一言も話さないピエロを前にして

時間の無駄だと思ったのか

四人の女性達はピエロの指さした方角にむかって走って行った


パタン・・・・


ドアを閉めるとピエロのミンソクは疲れたというように

大きなゼスチャーでため息をはいた


「ごめん・・・助かったよ・・ありがとう」

奥の方からルハンがよつんばで

ハイハイしながらミンソクの前まで来る


「あーっ走ったせいでのど乾いちゃった」

ルハンがポツリと言うと

ミンソクはニコリとほほ笑んでペットボトルを取り出した


ルハンの目の前で

ガラスのコップにペットボトルの水を注ぐ


そのコップを

左手に持って右手で隠す動作をしてからルハンに渡した


「うわっ!!!!どうやったの?」

コップの水は常温から冷水になっていた


黙ったまま どうぞ!というゼスチャーで合図されると

ルハンはその水を美味しそうにごくごくと飲みほした


「美味しい~ありがとう・・お前すごいな」

ルハンがキラキラした瞳でミンソクを見つめる


「お前・・こんな所で自主練してんの? ひとりなの?

もしよかったら俺のサークルに入らない?」


キョトンとした顔のピエロにルハンは話を続ける


「俺さ・・・サークル立ち上げたの・・

何でもチャレンジしよう!!!!ってコンセプトでさ・・・

この貴重な青春時代を

何かにチャレンジするのもいいかなって」

「今・・ピエロだから声ださねぇんだろう?

お前もピエロに挑戦中なんだろう?」


ミンソクピエロは笑顔でうなづいた



ドキン・・・



ピエロのメイクをしているのにも関わらず

間近でみるメイクに隠された顔が

すごく可愛いくて好みだとルハンは気づいた


猫のような大きなつり目・・・

真っ赤な口紅に隠れされいるプリッとした唇


ルハンの心臓はドキドキと今にも破裂しそうだ


俺・・・どうしたんだろう・・何このドキドキ・・・

初めての経験にルハンは驚いて

醜態をさらさないようにと小さく深呼吸をする


あ・・その前に・・・確認しなきゃ・・


「!!!!!!!!!!!!」


ルハンは目の前のピエロを思いっきり正面から抱きしめた


「BOX 326 で待ってるから!!!!入部しにきてね~」



爽やかな笑顔を残して

ルハンは走り去って行った・・・・・


残されたミンソクピエロはへなへなとその場にうずくまる



数日前に見かけたルハンが目の前にいて

自分の事をサークルに誘ってくれた

あろうことか抱きしめられた・・・・

ルハンのコロンの香りがわずかに鼻に残っている


ミンソクの胸が何かに締め付けられるようだった

鼻の頭につけていた赤い飾りをとって

ピエロのメイクを落とす

鏡の中に見慣れた

地味で自信のないいつもの自分の姿を見つけ

ため息をひとつついた・・・・



続く
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非公開コメント

おはようございます<(_ _*)>

お互いに一目惚れって感じなんでしょうか(*´-`)

でも
四股のタラシだから、、心配です 笑

ピエロなシウちゃん
赤い鼻付けると本当に可愛いですよね(*/ω\*)


更新楽しみに待ってますヾ(=^▽^=)ノ

Re: おはようございます<(_ _*)>

> aさんへ

るーみんはお互いの存在が運命なんですよ~

るうは、まだ真実の愛を知らないので四股状態です(笑)

たらし・・・というか来る者こばまず状態なんです・・・

いつもコメントありがとうございます。ぼちぼち更新していきます
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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