包子に惚れる Last

[包子に惚れる]  Last


「それ・・・たぶん・・・僕のお父さん・・・」


え?

ミンソクが自分のカバンから手帳を取り出して

その中に挟まっていた古い写真を取り出した


ピエロ姿の男性とそれにしがみつく小さい男の子・・



「そう・・・このおじさん・・俺の事を慰めてくれた人・・・

ミンソクのお父さん亡くなったって・・・だから・・そうか・・・

会えなくなったんだ・・・」


ルハンが写真を見つめながら呟く

その瞳には涙があふれている


「おれ・・あの時本当に寂しくて悲しくて・・・

でもどうしたら良いのか分からなくて・・

おじさんと出会ってなかったら

今の俺はいなかった・・・

サッカーも続けてなかったかもしれない」



仲間はずれにされ途方に暮れていたルハン・・

誰もが虜になってしまう魅力を持った彼の

小さい時の悲しい思い出・・


ミンソクの心がルハンへの愛おしさで溢れそうになった

黙ってルハンに抱きつくと


「今のルハンは凄く素敵だよ・・・僕は好きだよ・・・」

そして良く父親が自分にしてくれたように

やさしく背中をトントンと叩いた・・・


「ああ・・・ミンソク・・・おじさんと同じ・・」


涙があふれて止まらないルハンは

ミンソクをぎゅうっと抱きしめると

「初めて会った時から俺・・ミンソクが好きだ・・・

自分から好きになったのは・・ミンソクが初めてだ」と耳元でささやいた

ミンソクが驚いたように目を見開いてルハンを見つめる

その様子があまりも可愛らしくてルハンはほほ笑んだ


引き合うようにお互いの唇が近づき重なる

初々しくてとても優しい口づけに

ルハンの体全体に戦慄が走った


今まで味わったことのない感覚に戸惑いながらも

本当に好きな相手とのキスが

こんなにも感じるものなんだと初めて実感する


「今まで経験してきたキスやセックスなんて

比較にならないくらいだ・・・・

ミンソク・・・好きだ・・・大好きだよ・・」

ルハンはミンソクの耳元で何度も好きだと繰り返した


抱きしめられて幸せに感じるなんて・・・

何年振りだろう・・・

ミンソクはルハンの胸の中で幸せを実感する


2人で泣きながら何度もキスを繰り返し

ようやく落ち着いて

今はルハンに覆われるように優しく抱きしめられている


(父さん・・・父さんのおかげでルハンと繋がってる・・・

父さん・・・小さい時のルハンを救ってくれてありがとう・・・)


ミンソクは体の向きを変えると

ルハンの胸に幸せそうに顔を埋めた


心配したレイとジョンデが探しに来るまで

2人は公園のはずれでずっと抱き合っていた・・・・・





~6年後~


「うわぁ・・・何か取材陣がたくさんいてドキドキするなぁ」


ソウルのホテルの大広間に設置された記者会見会場を

控室からジョンデが覗いて目を見開いている


大学在学中にルハンは

「ルハン企画」という芸能事務所を設立した

当時はサークルの延長の様なもので

レイのダンスとジョンデの歌

ルハンのモデルの仕事を中心に活動をしていた


ミンソクは大学で数学の才能を開花し

ピエロの仕事よりも研究室での研究が主となり

大学院に進んで数学の研究を進めていた


ミンソクが院にいる2年間で

ルハンとレイとジョンデの3人は

芸能界で名前を覚えてもらえるくらいになり

ルハンの設立した事務所もつぶれる事なく続いていた


ミンソクが大学院を卒業してルハン達と合流すると

今まで以上に活発に活動していこうとみんなの意見が一致する


今日は某ケーブルテレビで

「ルハン企画」が初めて手掛ける番組の記者会見があるのだ


「すごいねぇ~これもジョンデが

この間テレビで名前売ったからだよ」


「いやぁ~レイさんが

マダムGGのバックダンサーに抜擢されたからですよ」


レイとジョンデが

お互いにお互いを褒め合って照れ合っているのを見て

ルハンが小さく笑う

「お前達・・いつまでも初々しくて可愛いね」


「ルハン~そう僕たち付きあって5年たっても初々しいの~」

エクボの出る綺麗な顔でレイが楽しそうに答える

その横でジョンデが苦笑している・・・

いつものやりとりに

書類を手に緊張していたミンソクもつられて笑った




春から始まる新番組は

小さな子供から大人まで楽しめる

大道芸と数字で遊ぶ内容のものだった

企画はミンソク

数学嫌いの子供たちに

数の神秘さと楽しさを感じてもらおうというコンセプト

番組にはレイのダンスやジョンデの歌

ピエロに扮したミンソクとルハンの出演コーナーもある


「これは実験的な番組になると思います

どうか暖かい目で見守っていただければ・・と思います」

事務所の社長ではあるルハンの締めの言葉に会見は終了した



取材陣が撤収していった後

片付けに追われているルハン達の前にジウンが現れた

今日は芸能コーナーの取材として来ていたようだった

「久しぶりだな・・テレビで見るけど元気そうだな」

ルハンが普通に話してくれたのでジウンはホッとして笑顔を見せる

「そうね・・ルハンも凄いわね・・・

私がバカにした大道芸で番組を作るんだものね・・・

あの時は悪かったわ・・・」


「お前のおかげで俺はミンソクと気持ちが通じ合ったし

ここまで頑張れたのはあの日の事があったからだよ」

ジウンはルハンの左薬指に指輪が光るのを見て

眩しそうに目を細めた


ルハンはモデルをしている時から「恋人」の存在を明らかにし

仕事以外では常に指輪を外すことはなかった


そして今回の番組が軌道に乗ったら「同性婚」をすると

身内には漏らしていた


「本当に結婚する気なのね・・・いろいろ大変な事あるけど

ルハンならやっていけると思うわ・・・・頑張ってね」


「ああ・・・ありがとう・・」


「あの子も初めて会ったときに比べると

すごく逞しく成長したような気がする・・カッコよくなったね」


「ダメだよ・・俺のミンソクだからな」

ルハンの言葉にジウンは呆れた顔をして笑った






「今日は疲れたね・・・ワインでも少し飲もうか」


ルハンの一言に企画書を見ていたミンソクが顔をあげた


「何か食べるものでも作ろうか? お腹すいた?」


「いや・・冷凍庫にあるピザを温めてつまみにしよう

ミンソクはそのまま仕事続けて」

ルハンはそう言うとキッチンに向かう



大学在学中に2人は同居を始め

ミンソクが大学院に進みルハンが芸能活動しても

同じ家に住んでいるという事で気持ちが離れる事はなかった

そして大学院を卒業して迎えたミンソクの誕生日に

ルハンが残りの人生を共有したい・・とプロポーズし

ミンソクは感動で涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら承諾した

今ではお互いに離れられない大事な人になっている


「不思議だな・・・俺あの時にミンソクと出会ってなかったら

多分今でも最低な男として生活していたんだろうな」


「突然ドアから飛び込んできて『かくまって』って言われて

本当にびっくりしたよ」


「俺たちって運命の相手なんだよ!!!!!ミンソク!!!!!ちゃんとわかってる?」


「うん・・・ルハンのおかげで自分に自信が持てるようになって

僕もだいぶ変わる事ができたよ」

ミンソクが上目遣いで愛嬌たっぷりにルハンに向かってほほ笑んだ


ルハンの胸がキュンキュンと締め付けられる

「もう・・・俺・・・死にそう・・・ミンソクのその顔・・」


ミンソクは無意識にやっているようで

ルハンの言葉にキョトンとする


我慢できないと言うように

ルハンはミンソクに近寄って強く抱きしめた


「小さいときのあの包子姿・・・あの頃から会いたかったな」


「包子って言うな~あれは忘れたい過去なんだから~」


「包子でいいの・・・俺は包子なミンソクにも惚れるから

どんなミンソクでもミンソクであるかぎり

俺はお前を好きになる」


ルハンの少しくさい台詞も

ミンソクにとっては甘い食前酒のように

心の中に入り込んで体を溶かしていくように感じる


「うん・・・僕も何度出会ったとしても・・ルハンを愛するよ」


2人は見つめあい

吸い込まれるようにお互いの唇を近づけた

唇が重なるのが合図のように

これから濃厚で甘美な恋人同士の時間を共有していく・・・・




俺の可愛い包子・・・包子に出会って包子に惚れて・・俺は幸せだよ

ずっと一緒にいようね・・・・






おしまい
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非公開コメント

こんばんは<(_ _*)>

そうですね、、
あの番組を見てるとちょっと寂しくもなっちゃいますよね(。・ω・。)

SBSはレイレイいませんでしたねー
今日のKBSにもいませんね(´;ω;`)


るぅもシウちゃんも
チェンチェンもレイレイも幸せそうですね(*´-`)

素敵なお話ありがとうございました<(_ _*)>

来年もよろしくお願いいたします!!
素敵なお話楽しみに待ってますヾ(=^▽^=)ノ
よいお年を、、、

Re: こんばんは<(_ _*)>

> aさんへ

コメントありがとうございます

年末年始忙しくてお返事遅くなりました
2016年も細々ながら書いていきたいので
また遊びに来てくださいませ

あ・・エロないですけど・・・(;^ω^)
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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