大切なものは・・・ 2

[大切なものは・・・・] カイside 2


今日もリハビリ室は大賑わいだ

ルハンが転院してきてから

言葉が通じないのにも関わらず

元々の人柄なのか、リハビリ室は笑い声が絶えなくなった

僕はあまり賑やかなのが得意じゃないので

ちょっと居づらくて部屋の隅にいる事が増えた


普通の友人兼お世話係だと思われていたミンソクさんが

実はルハンの恋人だった・・・という事が周囲に知れ渡った

人前では友人として接しているミンソクさんに対して

ルハンは恋人として接しているからだった・・・

それもかなりのやきもち焼きで、

周囲がひいてしまう位の執着を惜しげもなく表しているから

ミンソクさんに近づく輩を追い払うための牽制としての

恋人宣言なんだろうな・・・


韓国ではビックニュースになるのかも知れないけど

ここは日本だし、

病院のスタッフの教育が素晴らしく

口外される事はなく

韓国と違って患者のプライバシーはしっかりと守られている



「おーい」

部屋の隅でストレッチをしていた僕にルハンが声をかけてきた

今日はミンソクさんは用事があるようで

午後から来るとの話だった



「お前・・・なんか元気ないよなぁ・・・大丈夫か?」


僕は、ルハンの言葉に黙ったまま俯いていた


「俺・・・煩い?

スタッフは韓国語の分かる人ほとんどいないから

ついミンソクと韓国語でくだらない話までしちゃってるからな」


そう・・・この人・・・周囲が分からないだろうと

やたらめったらミンソクさんに愛の言葉を投げつけている

呆れたミンソクさんは10回に1回位は仕方ないと返事をしている


でも韓国人の僕はたまったもんじゃない・・・

年がら年中発情期みたいなルハンの求愛行動を見せられて・・・・

電話でしか話せないギョンスヒョンが恋しくなってしまう


めっきりふさぎこんで元気がないように見えるのは・・・・

ルハン・・・・あんたのせいなんだからな!!!!!


僕が片思いをしていたギョンスヒョンと両想いになれたのは

幸か不幸か僕のケガがあってから

ヒョンを招待した舞台で奈落の底に落ちて救急搬送された

その時にヒョンは「弟」だと思っていた僕の存在が

物凄く大切なものだと気づいたそうだ


気持ちが通じ合ってからキスを数回

ましてやHなんてしてない・・・


僕はリハビリのために日本に来てしまい

遠距離恋愛真っ只中になってしまった

年に数回しか会えない今・・・

目の前で、恋人と隙あらば

いちゃこらしようとしているルハンを見ていると

羨ましさを通り越して憎らしくなってくる



トレーニングが休憩になったのを見計らって

ルハンは僕の側までやってきた


「おいおい・・・そんな目で睨んでくるなよぉ~」

ルハンは杖を上手に使って、僕の横に座った


「ギョンスのあの雰囲気を思い出すと・・・

恋人とはいえ・・・お前らまだ最後までやってねぇだろう?」


「あんたには関係ないだろう」

不愉快を顔に出した僕の様子が可笑しいと

ルハンは小さく笑った


トレーニング室から外を見ると

日差しがすっかり春めいてきている

ここは日本でも春の来るのが早いらしく

病院の外は黄色い花畑でとても綺麗だ


スマホで写真を取って

「一緒に見たいな」とギョンスヒョンに送ったら

雪の景色のソウルの写真が送られてきた・・・

ラインには「会いに行けなくてごめん」と書かれていた


「お前もギョンスに会いたいよな・・・

俺・・・カイの立場だったら気が狂うかもしれない」

ルハンの泣きそうな顔をみて小さく吹き出した


「俺さ・・と言うか俺たちさ・・・10年間も片思いしてたの・・

お互いに好きだったのに・・・

同性だったから「友人」でいようって・・・

お互いに勝手にそう思ってて・・・

世間体を考えてたのかもしれないな・・・」


急にルハンが真面目な顔をして話しだしたので

僕も姿勢を正して聞く体制になった


「俺なんかミンソクを好きな自分から逃げ出そうとして

手当たり次第に女に手を出していた時期があって・・・・

今思うと凄く自分に腹がたつんだ・・・結局ミンソクを傷つけていたし」


ルハン位になると言い寄ってくる女性は多いだろうね


「生き返って思った・・・もうミンソク以外あり得ないって」


「生き返ったって?」


「あれ? カイは知らない? 俺死にかけたんだよ・・・

臨死体験もしたんだよ・・・生き返った代償として片足無くしたけどね」


僕がびっくりしてルハンを見つめていると

ルハンはニカっと笑って


「10年間親友でいて・・楽しかったけど凄く勿体なかったって思ってさ

今一生懸命10年分のいちゃこらを取り戻そうとしている」


(国民の英雄とまで言われたことのあるルハン・・・

この人は本当はものすごく残念な人だったんだ・・・)


真面目な顔して変な事を言っているルハンに

呆気にとられていたら

「何バカな事をドヤ顔で言ってるんだよ」とミンソクさんの声がした


「馬鹿な事じゃないもん!!!!俺・・過去に戻れたら

女に手を出していた頃の自分を殴り倒してやりたい・・・」


「はあ?」

呆れかえった顔のミンソクさんの横に

楽しそうにクスクスと笑うギョンスヒョンがいた


「カイ・・・元気だった?」

まさかのヒョンの出現に僕は驚きのあまり動けないでいた


「ぎょんす・・・ひょん・・・うっ・・うっ・・」

ヒョンの笑顔を見た途端・・・

僕は自分でも気づかないうちに涙を流していた

少し困った顔をしてヒョンは僕を優しく抱きしめてくれた



「へへへっ・・・泣いてやんの・・・・」

パシッ!!!!!

「うわっ!!!!何すんだよっ!!!!」


隣のルハンが僕をからかおうとして

ミンソクさんに頭を叩かれ僕の視界から消えていった

(ミンソクさんに引きずられて行ったようだった)


「ギョンスヒョン・・・お店はどうしたの?」

僕が心配そうにヒョンの顔を見ると

ヒョンは思いっきり可愛い顔をしてほほ笑んだ


あ・・・そんな顔しないで・・・心臓が爆発しそうだよ


「チャニョルに頼まれてね・・店を映画のロケに貸し出したんだ

だから半月ほど臨時休業になったよ」


「ヒョン・・・」


「カイのリハビリが思った以上に長引いたでしょう?

もう僕も我慢の限界が来てたから・・丁度よかったかな」


ああもう駄目だ・・・僕の涙腺は抱懐した・・・

そしてヒョンの左手には僕とのペアリングが光ってる・・

職業柄いつもは指にしないのに・・・・


「ヒョン・・・ヒョン・・・うわぁぁぁぁぁん」

嬉しすぎると自分でも予期しない行動に出るもんだ

僕は小さな子供のように声に出して泣いていた

いつまでも泣きじゃくる僕を

ギョンスヒョンは優しく抱きしめてくれた


続く

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非公開コメント

おはようございます<(_ _*)>

凄いほっこりします(*´-`)

るぅはわかんないのをいいことに本当に色々言ってるんでしょうね 笑

シウちゃんも苦笑いしながら二人の時間を大切に過ごしてる(*´-`)


カイも良かったね(´;ω;`)
るぅに当てられてイライラしてたけど 笑


更新楽しみに待ってますヾ(=^▽^=)ノ

Re: おはようございます<(_ _*)>

> aさんへ

これからいちゃいちゃシーンを少しだけ書きます

私の事ですから朝チュンで申し訳ありませんが~

もう少しお待ちください♪
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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