バレンタイン狂想曲  前編

[バレンタイン狂想曲] 前編


世の中はバレンタインなるもので

お正月過ぎたあたりからマスコミにも取り上げられ

今年の傾向やら「義理チョコ」の消滅「友チョコ」の出現

などと老若男女問わずチョコに対しての関心が集まる季節となった


そしてここSM学園も例外ではなく

バレンタインは毎年やってくるのだった



チェンの場合


「チェン~さっきから何書いてるの?」

バレンタインまであと数日となったある日の放課後

チェンは職員室からくすねてきた紙に

マジックで大きく目立つように何かを書いている

それを興味深げにレイが覗きこんできた

「あはははは!!!!そこまでしてチョコ欲しいの~」

「そんなに笑わないでよ!!!!」チェンが横に座ったレイを睨む


その紙には

『安心して下さい!!!チョコ大好きです!!!!』と書かれていた

「それどーすんの?」

黙って紙を持って歩き始めたチェンに

レイが興味ぶかげに付いてくる


数日前の事

本命から義理まであわせて

誰がどれだけチョコを貰えるか・・・という話となり

チャニョルとベッキョンとチェンが数を競い合う事になった


「どうせクラスで一番はルハンだろう?

去年なんか他校からも持ってきてさ・・・

靴箱に入りきれなくて先生が段ボールで

ルハン専用ボックスなんて作って置いてたな・・・」


「あれ凄かったな・・・シウミンもルハン程じゃないけど

専用ボックスあったなぁ・・」

「あの2人を除くと・・・誰が一番だと思う?」

「俺・・お前ら2人には負けないもん」


「俺だって日頃の行いが良いから

義理はたくさんもらえると思う」

「じゃあ総数で競争しようぜ」



こんなやり取りがあったために

去年よりもチョコの枚数を増やそうと

チェンは無い知恵を絞りだして

貼り紙作戦を思いついたのだった



げっ!!!!!

チェンが玄関に付くと

すでに靴箱の周囲には戦いの火ぶたが切って落とされていた


『チョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコ』

『受験には甘いものが必要です』

『僕を助けて下さい』

『君はここにチョコを入れたくなる』


創意工夫を重ねたメッセージが靴箱の扉に貼ってあったのだ


「あはははははは~みんな凄い~!!!!」

ひとつひとつのメッセージを読みながら

レイは大笑いをしている


『失敗作回収box』

そう書かれたメッセージはベッキョンのもの

さすがあざとい・・・・総数で対決しようと言ったのは奴だ


『きみの真心入れて行ってね』

これはチャニョルだ・・・ちょっと引くかも・・・

そう思いながらチェンは自分の靴箱にメッセージを貼り付けた

「チェンのが一番面白いよ~」

レイが相変わらず楽しそうに笑っている

「でもさぁ~チェン・・・どうしてこんな貼り紙するの?」

さっきまで笑っていたレイの表情が急に変った

「え?」


「チェン・・・そんなにチョコが欲しいの?」

レイの顔が無表情となり感情が読めない・・声も低くなっていた

「貼り紙するほど他の人からのチョコが欲しいなら・・・

僕はあげないよ」


「え?」

レイの意味深発言でチェンの心臓がバクバクし始めた

ただでさえ困ったように下がった眉毛がもっと下がる

チェンがこんな貼り紙をする事になった経緯は

レイに話していて知っているはずだ


泣きそうになっているチェンを見てレイが妖艶にほほ笑んだ

後ろからチェンに抱きつくと耳元に


「冗談・・・チェンには僕がちゃんとあげるよ」と囁く

目を見開いたままのチェンにレイは続ける


「ちゃんとあげるから貰ってね・・・僕を・・・」

そう言いながら

チェンには見えないように

彼の靴箱から貼り紙をそっとはがす・・・


チェンはレイを見つめてつばを飲み込むと

周囲をすばやく見回し誰もいないのを確認して

レイの腕を掴むと逃げるようにして走り去って行った・・・

この後チェンがレイを美味しく頂いたのは言うまでも無い



ディオの場合


家庭科室は甘い香りに包まれていた

家庭科の教師のリョウクは毎年恒例になっている

バレンタインに向けての菓子作り教室を開いていた

自分の分を作るついでに

生徒達にも菓子作りの楽しさを味わってもらおうと

家庭部主催という名目で今年も教室を開いていた


幽霊部員のタオとクリスも

似合わないふりふりエプロンで参加している

(エプロンを忘れたのでリョウクの私物を借りているため)

部長のディオは1人だけプロ並みの手際良さで

美味しそうなクッキーやフォンダンショコラを作っている



「あーったいちょー!!!!このパンダさん変な顔になっちゃったよ~」

「タオ!!!!押すな!!!!この飾り付けのクリームがずれただろう」

他の部員は好き勝手につくれるから

場所の提供だけで良かったが

どう見ても不器用が歩いているといえるタオとクリスには

つきっきりで面倒を見なくてはいけなくて大変だった


超初心者と言う事でクッキーを焼かせていたが

飾り付けの段階でも残念な出来になってしまっている


「クリスにタオ・・クッキー生地は先生とディオの使ったから

味は大丈夫だから安心してね・・・後は飾り付けとラッピングだね」

ちょっと焦げちゃったのは御愛嬌だよ・・と付け加えて

ラッピングセットを2人に渡した


「そうそう玄関の靴箱に『失敗作回収box』ってあったよ

焦げたのとか入れてくれば?」

他の部員が思い出したように言うと

「うん!!!!そうする!!!!可愛いのだけセフナにあげるんだ」

タオが元気よくうなづいた


ディオは

カイのリクエストのフォンダンショコラが

凄く上手に出来て満足していた

普段ポーカーフェイスなディオが

ニマニマしながらラッピングをする姿は

山姥が夜中に包丁を研いでいるような

不気味さを醸し出して

周囲を少しビビらせていた


しかしリョウクは寡黙なディオの

心の動きを読める先生だったので

実際は小躍りするぐらい大喜びしているのを

可愛いなぁ・・・と暖かく見守っていた

(他の人からは焦点の合わない目線で遠くを見つめ

ニヤリと口角が上がっているだけに見えた)


ディオの渾身の出来のフォンダンショコラを貰ったカイは

もったいなくて食べられずに毎日ながめる事になる


せっかくだから永久保存にしよう・・・

そう思って冷凍庫にしまってしまうだろう

去年もらったチョコクッキーも冷凍庫に入ったままだ


カイはディオの事が好きすぎて

ディオそのものも自分だけのものとして

いつかは永久保存したいと思っている

ディオはそんなことは露とも知らない・・・・



続く
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るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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