ひまわり歯科医院へ ようこそ~中編~

[ひまわり歯科医院へようこそ] ~中編~


「ルハン~聞いた? 今日緊急ミーティングが入ったよ~」

外回りから戻ったルハンに

隣のデスクに座っているレイが声を掛けて来た


「え? 今日俺・・・歯医者の予約あるんだよ・・・

有給にして早帰りしようと思ったのに」


「う~ん多分休めないと思う~ 」


ルハンは小さく舌打ちすると

スマホを持って部屋の外に出る



「はい・・ひまわり歯科医院です」

電話に出たのは受付のおばさんではなかった

男にしてはすこし高い声・・・あの若い歯科医だろう・・・

声を聞いただけでドキドキし始めた自分に驚きながら

ルハンは電話を続ける


「すみません・・今日予約入れていたルハンなのですが・・・

どうしても会議が入ってしまって・・・

多分遅くなるので別の日に予約入れ直したいのですが」


「ああ・・・この間初診のルハンさんですね・・・・

今日は私の予定ありませんから夜お待ちしています」


「はい?」


ルハンは言われた意味が分からずに変な返事をしてしまった

電話の向こう側では歯科医がクスクスと笑っている


「歯科医院の2階が住居スペースになっているので

ルハンさんが会議が終わってからいらしても治療できます」


「あ・・・多分7時には行けるかと思います」


「分かりました準備しておきます・・・

虫歯は早めに治療した方が良いので特別ですからね」



特別ですからね


この言葉がルハンの頭をリフレインしている

どういう意図なんだろう・・・・・


「ルハン・・・どうしたの? 顔真っ赤だよ? 今からミーティング始まるよ」

探しに来たレイに指摘されて

ルハンは自分が異常に歯科医を意識しているのに気づいた


なんなんだ・・・どうしたんだよ・・・俺・・・・

その後のミーティング内容はルハンの頭の中に全く入ってこなかった





ピンポーン♪

インターフォンを押すとすぐに返事が聞こえた

「鍵空いてますよ・・・どうぞ」


最小の灯りしか付いていない待合室に座っていると

奥の方からドタドタと階段を走ってくる音がした


「お待たせしました・・・さっそく治療室に入ってください」

マスクとメガネ姿の歯科医が

治療室のドアをあけてルハンを呼びいれた



レントゲンを撮って

虫歯の確認をすると

やはり左上の奥歯に虫歯があった


「綺麗な歯ですね~いつも丁寧に歯磨きされているんですね」

治療の椅子に寝かされただけでも緊張でガチガチのルハンは

ぎこちなくうなずいた


「そんなにガチガチにならないでください

治療がしにくいですよ・・・・そうだ・・・」


歯科医は部屋の端にあったパンダのぬいぐるみをルハンに持たせる


「これ・・・さっきタオが忘れて行ったんだけど・・・少し借りよう」


「????」


歯科医は驚愕するルハンを優しい瞳で見つめると

小さい子どもに言うように優しくささやいた


「大丈夫ですよ・・・痛くないですから・・・先生を信じて・・・

大きくおくちを開けていて下さいね~」



久々の麻酔注射の痛みと

歯を削るドリルの音

昔の恐怖が思い出されて

気が狂いそうな状況下

ルハンはパンダのぬいぐるみをギューっと抱きしめながら

さっき見たメガネの下の優しい瞳を想ってじっと耐えていた





「さあ・・・お口をぶくぶくしてくださいね~今日の治療は終わりましたよ」

目を覆っていたタオルが外されると

歯科医のとても優しい瞳がルハンを見つめていた


「へんへい・・・あひがとう」

麻酔で上手く口が回らなくて変な言葉になっているルハンに

歯科医がやさしく頭をなでる


「本当はとっても歯医者が嫌いなんでしょう・・・よく頑張りましたね」


ルハンは自分の目じりに涙がにじんでいるのに気付いて

あわてて目をこすった・・・・


会計をすますと歯科医はマスクとメガネを外した


ドッキューン!!!!!!

眼鏡越しの瞳がすごく優しくて

それだけでルハンを虜にしたが

一重ながらにも大きなつりあがった瞳に

すごく可愛い赤い唇

男性なのに「可愛い」という表現がピッタリの姿に

ルハンは見つめたまま身動きが取れないでいた


キューピットの放った弓矢よりも強い・・・まるでバズーカ砲のような

そう愛のバズーカをルハンは受けてしまった・・・


一目ぼれをしてしまったのだ


ぼんやりと身動きのとれないルハンの様子に

「ルハンさん・・・大丈夫ですか? 具合悪そうですよ・・・

良かったら2階で休んでいきますか?

私しか住んでいないので・・・・少し休憩していってください」


時計はまだ8時過ぎた辺りだった

ルハンは思いっきりうなずく・・・・

歯科医の親切に付け込んでいる様で

少し後ろめたさはあったけど

小さなチャンスも必ずものにするポリシーのルハンとしては

願ったりかなったりの状態だった

思いっきり具合の悪い風を装って歯科医の住居に入り込んだ


そして一目ぼれをしたその日に

歯科医が「シウミン」という名前で

自分と同じ歳で趣味も一緒という情報を入手する事に成功した

この日からルハンの猛アタックが始まる



続く
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Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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