ひまわり歯科医院へ ようこそ ~後編下~

[ひまわり歯科医院へようこそ] ~後編下~


「先生・・本当にお世話になりました・・・

先代の先生からだから・・・長かったですね」


受付をしていたウンヨンがシウミンに挨拶をした

娘が双子を出産するので、

ひまわり歯科医院を辞めさせて欲しいと申し出て1か月・・・

とうとう最後の日が来てしまった


「僕の生まれる前から、

本当にありがとうございました。

僕がなんとかここで開業できたのも

ウンヨンさんのおかげです・・・

なんか・・・寂しいです・・・」


しんみりとしてシウミンが挨拶をすると


「結局・・・先生は受付を募集してないけど・・

どうするんですか?」


ウンヨンは心配そうに問いかける



ウンヨンが退職願いをしてから1か月の期間があったが

シウミンはその間次の受付を探すことはしなかったのだ



1か月前に初めて退職の話を聞いた時に

仲良くしていたルハンが一緒にいた

そしてウンヨンの

「可愛い若い女の子でも次の受付に・・・」という

話の流れになったときに

ルハンは「嫌だ」と言って飛び出して行った

その日の夜に

本人が忘れて行ったカバンを取りに来るかと思っていたら

ルハンの同僚と名乗るレイという男性が

ルハンのカバンを取りに来た


携帯もカトクもメールもその日から繋がらなくなり

それ時以来ルハンの顔を見るどころか連絡も取れなくなった



仲良くなってから毎週のように遊びに行ったり

平日も外回りという理由で時々仕事をさぼって

ひまわり歯科医院の休憩時間に顔を出したりしていた

それが急に会えなくなったのだ


シウミンの胸には大きな穴が開いたようだった

初めてこんな大きな喪失感を感じ

戸惑いも隠せないでいた

ルハンが自分に好意を持っていたのは気づいていた

でも自分はルハンを「友達」と思っていた・・・はずだった



元々友達も少なかったし・・・

ルハンが押しかけてきていた以前の生活に戻るだけだ

そう思っても・・・この寂しさは・・・

どんどん大きくなっていくこの気持ちはなんだろう


シウミンは新しい受付を募集することをせず

1人で受付と診察とを行う事にした



「先生・・・元気だして下さい・・・

ルハンさんはまた遊びに来ますよ・・・

あの人かなりポジティブだと思いますよ」


「!!!!!!!!」


ウンヨンからルハンの名前が出てシウミンは思わず赤面する


「先生・・・・ご自分の気持ちに素直になって下さいね」


意味深な言葉を残してウンヨンが去って行った・・・・・




治療時間も終り歯科医院の戸締りを終えて

2階の住居スペースに戻ろうとしたときに

歯科医院の玄関のインターフォンが鳴った


「何だろう・・・・今頃・・・8時だぞ・・・宅急便かな」

玄関の内鍵を解除して扉を開ける


シウミンはビックリしてそのまま動けないでいた

そこにはニコニコしたルハンが立っていたのだった


「あの・・・この歯科医院では受付募集してませんか?

受付の応募にきました」


え?


「とりあえず中に入れて!!!!」

あまりにも驚いたシウミンは

目を見開いたまま小さくうなずいた




住居スペースのリビングでルハンを座らせると

シウミンはコーヒーを淹れる


今起きている事がうまく理解できずに困惑している

その気持ちを整理するために何度も深呼吸をした

その間ルハンはニコニコしたまま椅子に座っている




「やっぱり・・・しうちゃんのコーヒー美味しい♪」

シウミンは黙ったまま不思議そうにルハンを見つめる

そして意を決するように口を開いた


「お前・・・俺の事嫌いになったんじゃないのか?」


「え?何で?」


「だって・・・携帯もカトクもつながらなくなって・・・・」


シウミンの泣きそうな顔にルハンはニッコリと微笑む


「俺・・・しうちゃんの事が好き

だから・・・しうちゃんを他の誰にも渡したくないから

この1か月すごーく大変だったんだ」


「?」


「受付に可愛い女の子が入って

しうちゃんがその子の事好きになったら大変だ・・・・

どうしたら阻止できるんだろう・・・と真剣に考えたんだ」


「?」


「俺がその受付やればいい!!!!って結論がでて

医療事務の勉強とかしてすっごく大変だったんだよ」


「はぁ?」


「そのために携帯もカトクもつながらないようにしてたの

しうちゃん・・・ごめんね・・・俺も辛かったんだよ」


「お前・・・自分の仕事は?」


「辞めたよ・・・ちゃんと1か月前に退職願だしたから

後任に引き継ぎしたし」

ルハンの発言にシウミンは驚きを通り越して呆れた



「俺・・・そんなに高い給料出せないぞ・・・」


「そんなの問題じゃない・・・俺はしうちゃんが好き・・・

ずっとそばに居たい・・・そう思ったんだ・・・・

しうちゃんは俺の事嫌い?」


ルハンが悲しそうな顔をして

首をかしげなからシウミンの事を見つめる


その様子をみてシウミンの頬が赤く染まった

ルハンはシウミンを優しく抱きしめて耳元でもう一度囁く


「初めて会ったときから・・俺・・しうちゃんが好き・・・

ずっとそばに居たい・・・しうちゃんは?」



ルハンに会って

ルハンの笑顔に見つめられて

ルハンに優しく抱きしめられて

ルハンに耳元で好きだと言われて


シウミンのぽっかりと空いていた胸の空洞が

あっと言う間にルハンで埋められていく・・・・

ああ・・・こういう意味だったんだな・・・・



シウミンは自分からルハンの背中に手を回して

ぎゅっとその体にしがみつく


「俺も・・・お前の事・・・好きみたいだ・・・」


ニコニコと笑っているルハンの瞳から涙が流れる


「ルハン・・・泣いてるの?」

「しうちゃん・・しうちゃんこそ・・・」

ルハンに指摘されてシウミンは

自分が涙を流していた事に初めて気づく


「しうちゃん・・・・」

ルハンの手が優しくシウミンの頬に添えられる

シウミンが瞳を閉じるとルハンの唇がそっと重なった




ルハンさんは・・・あの人はかなりポジティブだと思いますよ・・・・


ウンヨンの言葉がシウミンの脳裏によみがえる


甘い甘い口づけがしばらく続いて

名残惜しそうに唇が離れるとシウミンは小さく囁いた


「お前・・・バカだろう・・・」

シウミンの言葉にルハンは嬉しそうに笑った


「そうかもね・・・しうちゃんに関する事だとバカになれるかもね」



その後

ひまわり歯科医院は

イケメンの受付と

イケメンの歯科医がいると

口コミで評判になり大盛況となった


ルハンにとってはすぐ近くで

シウミンに言い寄る輩をチェックできるので

転職して良かったと実感していた



ひまわり歯科医院は

相変わらず幼稚園児の患者が多い

それは先生の治療が子供たちに沿ったやり方だから

ルハンはシウミンに一目ぼれしたけれど

シウミンに治療してもらったおかげで

子供の時のトラウマがなくなった

それも好きになった要因の1つかもしれない



ウンヨンの投下した爆弾は意外な効果をもたらした


ひまわり歯科医院では

今日も子供たちの元気な声が響き渡っている

時々幼稚園に間違えられるのはご愛敬・・・・・









おしまい
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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