初デート 後編

[初デート]  後編 ~偶然による必然的な出会い 番外編~



プロムナードを抜けると

一面を覆う巨大水槽が2人を迎えた

2人が立っている場所をほとんど水槽が覆っている

まるで海底に佇んでいるかのようだ

上を見上げると巨大な魚が

まるで宙を舞っているかのように優雅に泳いでいた



「しうちゃん・・・・何か凄いよ・・・・」

「ああ・・・あの大きいのはジンベイザメだな・・・・」

しばらく2人ともその場に佇んで水槽に見入っていたが

通路から離れたところに椅子があるのを見つけて

シウミンがルハンの手を引いて座った


「大昔はここにいるのが全て本物で、

海の中を泳ぎまわっていたんだな」


シウミンがボソッと呟いた


今ではもう戻らない地球の自然・・・・

美しい海に覆われた自分達の星・・・

その美しい海を自分達のエゴで失ってしまった人類

失ってからとても大切だったことを戒められた・・・・

この水槽の中は再現された世界・・・・泳いでいるのはロボットだ


「俺・・・・今まで『海』って見た事なかったんだ

なんかすごいね・・・きれいだね」

「ルハン・・・俺たちの星では『海』はすべての母と言われている」

「母?」

「ああ・・・地球の生き物は海から生まれて進化して

地上に移り住んだと言われているんだよ」

シウミンはそう言うとルハンの方を振り向いた

「お前達は知らないだろうけど

赤ん坊が生まれるのに母親の胎内で

生命の誕生を繰り返してるんだ」

不思議そうに首をかしげるルハンにシウミンは微笑む


「愛し合って母親の胎内に命が宿る

命が宿る事によりその体の中に海が再現されるんだ・・・」


シウミンはそう説明するとルハンのお腹にそっと手を添える


「あっ・・・・女のひとのお腹・・・ただの太った人だと思ったけど

お腹だけ大きい人って・・・・そうなの? お腹の中に子供がいるの?」

ルハンはシナワールドで数人の妊婦とすれ違っていた

でもそれはただの太った人だと思っていたが

シウミンの説明で今納得をした


「しうちゃん・・・・」

ルハンがシウミンの手を取って自分の膝の上に座らせた

後ろからぎゅっと抱きしめる


「なんか不思議だね・・・海って・・・

俺・・・ずっと見てられるよ・・・・あの魚たちと一緒に泳いでみたい」

「ああ・・・何か落ち着くな・・・きっと守られている気分なんだろうな」


しばらく2人は黙ったまま水槽を見つめていた

するとシウミンの首筋に冷たいものを感じて後ろを振り向く

ルハンが静かに涙を流していた・・・・

「ルハナ・・・どうしたの?」


振り向いたシウミンにルハンは顔をゆがめてほほ笑んだ

泣き笑いの顔にシウミンの心が揺さぶられる

ルハンの方を向いたシウミンはその涙に優しく口づけを落した


「しうちゃん・・・ありがとう・・・俺・・・今すごく幸せ・・・」

「ああ・・・ソリップに墜落してくれて感謝してる」

シウミンの言葉に

「なんだよっ・・それっ・・」とルハンが突っ込んで2人で笑った


他にも展示ブースは沢山あったけど

2人は大型水槽の前で体を寄せ合って

黙って水槽の中の世界を見つめ続けていた・・・・

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普通に生活していたら

絶対に出会う事がなかった自分達




ルハンは思う

しうちゃんと出会って

育った星も環境も違うけど

ずっと一緒に生きていく事を決めた・・・

そして自分がこんなに穏やかに過ごせているのも

「運命」なんだろうな・・・

大好き・・・愛している・・・どんな言葉でも足りない


そして嬉しい時にも涙は出るものなんだと

教えてくれたのはシウミンの存在



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~♪♪♪~

「しうちゃん・・・この音楽って何?」

「あっやばっ・・・閉館15分前のお知らせだよ」

「えっ?」

「もう外に出ないと閉じ込められるぞ」

シウミンが慌てながらもルハンに笑いかける

「まって~

しうちゃんと2人なら閉じ込められてもいいけど」

「タオにお土産頼まれてるんだろう?」

「うわっ・・・まじやばっ」

2人は手をつないで慌てて出口に向かって走り出した









「るうちゃん!!!!!ありがとう!!!!

この子・・・ジンベイザメって言うの?

じゃあジンベイちゃんだね」


大きなジンベイザメのぬいぐるみを抱きしめて

タオが嬉しそうに笑う

隣に座っているセフンは、

そのぬいぐるみに何度がパンチをして

タオに怒られていた


さんごカルシウム入りのクッキーや

ユーグレナ入りのお菓子など

2人のお土産を広げ

ギョンスの入れてくれたお茶を飲みながら話が弾む


「今度の休みに行ってみたいな」

泳ぎ回っている魚が

巧妙に再現されたロボットだと言う事に

チェンは興味を覚え


おしゃれなレストランがあった事を聞いて

ギョンスは興味を持った


「まだ全部見てないから

これからも何度もでーとに行くんだ~」

ルハンはそう言ってシウミンの腕を掴む

シウミンも優しくほほ笑み返してくれた



数日後


高速船で出かけていたクリスが夕方戻ってきた

手には大きなジンベイザメのぬいぐるみ・・・タオのものよりも一回り大きい


大事そうに抱えて部屋に戻っていく姿を見たベッキョンは


「クリス・・・そんなにも欲しかったのか・・・」と呟いた・・・・・


クリスのジンベイザメはJINと命名された






おしまい

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るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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