ヘタレの決意 後編

[ヘタレの決意] 後編  ~七夕狂想曲 その後のその後~




「よお~久しぶり!!!!」

「あれ・・・・名前なんだっけ?」

「うっそ~面影ないじゃん」




SM幼稚園創立50周年を記念しての

大規模な同窓会が新しく作られた体育館で行われている

中学や高校の同窓会と異なり

幼稚園では幼過ぎて

本人たちの記憶が曖昧な事が多いのか

同窓会は出席率は良いとは言えない

しかし出席率は良くなくても50年の歴史から

会場の体育館はかなりの卒業生で賑わっていた




「ルハーン」

「うわぁ~元気してた?」

「シウミンだぁ~」

「俺の事わかる~?」



ルハンとシウミンが会場に到着すると

かつての同級生がすでに集まっていて

2人に声をかけてきた


『27期卒業』と書かれたボードには

10人分の席が用意されている

他の学年は5~6人集まれば良い方なのに

この学年がこれだけ集まったのは

ルハンが小中一緒だった仲間に連絡したから。

そこから顔の広いチャニョルの呼びかけで

参加できるメンバーが集まったのだ



テーブルには卒園アルバムが置いてあり

集まったメンバーは懐かしそうに広げて大騒ぎだ

「ルハン・・・お前女の子みたいだったな・・・」

「これニョルかぁ? あっ目ん玉と耳でかいの変わってない」

「このちっちぇえのベクじゃん」

「チェーン!!!!!昔からラクダみたいな顔してる~」

「この白くてコロコロしてるのって・・・シウミン?」

「コロコロって言うなぁ~!!!!」

「包子~可愛かったよぉ~」


みんなで写真を指しながら

薄れかけている記憶を呼び戻していると

綺麗な顔をした男性が2人テーブルに近づいてくる



「おおおっここの代はすっげ~覚えてるぞ」

「ああ有名人が沢山いるもんね」


「うわっ理事長と園長だ」

アルバムを見ていたベッキョンがビックリして

アルバムの写真と本物を見比べる


「写真と変わんない~なんでですか?」

チェンが驚いて尋ねると

「俺たち・・・実はドラキュラなんだ~

だから歳取らないの~」と理事長のヒチョルがケタケタと笑う


「僕たちはまだ若いの・・・アラフォーなんだよ

君たちの時には大学卒業したばかりでこの仕事に就いて

卒園して20年だろう? 今の君たちの年よりも若かったね」

園長のイトゥクは当時と変わらないエクボを見せて

年齢不詳の笑顔をみんなに振りまく


「おっお前ら・・・ルハンとシウミンだろう・・・よく覚えてるぞ」

そう言うとヒチョルはシウミンの手をつかんで

自分の顔の方へ向ける

「なんだ・・・今日は名前ないのか?」

ドキン・・

シウミンは自分の手の甲に

「ルハン」と名前を書かれていた事を思い出して

思わず頬を染めた

「しうちゃん!!!!」

シウミンの手を握っていたヒチョルの手を

ルハンが笑顔で振り払う


「ほんとにお前ら変わってねぇ~昔の事覚えてる?」

ヒチョルが楽しそうに笑い

「ドンヘ~早く持って来い」と後ろのテーブルに声をかけた


「27期~この代の動画は七夕まつりの時のがメインです」

タブレットを沢山もっていたドンヘと呼ばれた男性が

ルハン達のテーブルに27と書かれたタブレットを置いていく


タブレットには七夕まつりというタイトルが現れ

保育士達が撮りためていた動画を編集したものが入っていた






「りじちょー先生!!!!!おりしめ様と ちこぽち様は会えないの?」

小さなチャニョルがヒチョルに聞いてくる

その大きな瞳には涙があふれてる


「ニョル!!!おまえバカ?

今りちじょーが年に一回会えるって言ったじゃん」

小さなベッキョンがチャニョルの頭をパコンと叩く

ぽろ・・・

涙がぽろりとこぼれる


「あーっ!!!!チャニョルが泣いた~」

短冊を手にしていた小さなチェンが大きな声で叫ぶ




「てんてい~ににたんが寝てます」


ウニョク保育士は、

ぐっすり眠っているカイを肩に担ぐと

隣の部屋に連れて行く

小さなディオはウニョク保育士のエプロンを掴んで

その後ろをトコトコと付いて行く


『チキンをたくさん食べれますように』

『チキンをじょうずにつくれますように』

二枚の短冊が映り

撮影者のドンヘ保育士の声で

「セフン君はお願い事は何?」と入っている


「てふんは可愛いひよこさんが欲しい」という言葉と共に

可愛い笑顔が大写しになった




「ほらぁ~おまえら~笹が届いたから短冊とりつけるぞ」

理事長のヒチョルが

イトゥク園長が担いできた笹を振り回して大きな声で叫ぶと

あちこちから短冊を手にした園児が集まってきた



「おうっ!!!!お前ら結婚するのか? 仲良くやれよ」

ヒチョルはルハンが手にした短冊を読むと

にやりと笑って笹に取り付ける

『しうちゃんと けっこんする』

短冊が画面に大写しになった


ルハンはしっかりとシウミンの腕を掴んだまま

綺麗な顔で嬉しそうにほほ笑んでいた


「しうちゃんの手に何か書いてあるよ」

タオが気が付いて大声で叫んでいる


「うん・・・・」シウミンは困ったように笑う

タオの声に園児がわらわらと集まってきた


「ルハン・・・?????

何でしうちゃんの手にルハンの名前が書いてあるの?」



「しうちゃんと るぅは・・・こいびとになりました

だから大人になったら、けっこんします」

ルハンの発言に周囲の園児たちはざわざわと騒ぐ

「こいびとだから・・・しうちゃんは、るぅのものです」



「そうか・・・お前ら頑張れよっ」









ヒチョルの声で七夕祭りの動画は終わった




幼稚園時代の事だから

ほとんど記憶に残ってない

でも今動画を見せられると

ぼんやりとその当時の記憶がよみがえってくる



「俺って・・・昔からしうちゃんに執着してたんだな」

ルハンが呆れた様にぼそっと言う

シウミンはルハンの自分への愛情が

このころからだったと知り

恥ずかしくて真っ赤になっている


「で・・・お前らの関係って? 今どうなんだよ」

幼稚園時代の動画で結婚宣言をしていたルハンを見て

ベッキョンが興味深そうに2人をのぞきこんでいる


「うん・・・まあ・・・ルームシェアしてる・・・」

恥ずかしそうにボソッと返事をするシウミン


ルハンはタブレットを見つめたまま何かを考え込んでいた




俺・・・

高校時代に再会してから

好きだとか愛しているとか言ってきたけど

勢いのまま同棲しちゃって・・・ちゃんと言う事言ってない

こんなガキの時にはちゃんと言ってたのに・・・・



ルハンは小さくうなずくと

シウミンの前にひざをついて座った

貴婦人の前で礼をする騎士のように・・・・


突然のルハンの行動に

雑談でもりあがっていた

他のメンバーもルハンに視線を移す

隣のテーブルに移動していたヒチョルとイトゥクも

何事かと視線をルハン達のテーブルにうつした



「しうちゃん・・・俺ずっと言いそびれていた事があるんだ」

「え?」

不思議そうな顔をして

ルハンを見つめるシウミンの瞳を

しっかりと見据えてルハンはハッキリと言った


「しうちゃん・・・・俺と結婚してください・・・・

パートナーとして一生涯側にいてください」


同窓会の席で皆の見ている前で

突然のプロポーズに

シウミンは目を大きく見開いたまま瞬きを数回した


「再会してから好きだとか愛してるとか言ってたけど

正式なプロポーズしないまま今日に至ってしまったから・・・

ガキの頃の俺の方が今よりも何倍も男前だった・・・

七夕の短冊に書いた通り

俺はしうちゃんと結婚したい・・・」

「ばか・・る・・は・・・ん・・・」

シウミンの瞳は涙であふれそうになっている

「しうちゃんの返事は?」

勢いでみんなの前でプロポーズしてしまったけど

ヘタレの性格が顔を出し始めてきた・・・・

中々返事をしてくれないシウミンに

ルハンの顔は悲しそうに歪んでくる


「俺は・・・」

シウミンがニコッと笑うとルハンに抱きつく

「OKに決まってるだろう!!!!!」



ぱーん

ぱーん

ぱーん


突然ルハンとシウミンの周囲からクラッカーが鳴った


「ほんとは結婚報告に来たんだと思ってたんだ

なんだプロポーズしてなかったのか・・・」

ヒチョルがケッケッケと笑いながら

クラッカーのごみをイトゥクに渡す

「今日のイベントにクラッカー用意しておいたんだ」

イトゥクはニコニコしながら

手際よくごみ袋にクラッカーのカラを集める



やっと言ってくれた・・・ヘタレにしては頑張った方だな・・・

ルハンに抱きついていたシウミンは心の中でホッとする




「ルハンは僕のものだから離しません」


そう言い切った幼稚園時代のシウミンを思い出して

ヒチョルは2人を優しく見つめる



完全に尻に敷かれるタイプだな・・・ルハン・・頑張れ・・

そう心の中でエールを送り、その場をイトゥクと笑顔で離れて行った





おわり


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るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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