運命 6

[運命] 6



「なんかシウミン・・落ち込んでる? 大丈夫?」

「訪ねてきた男の人とずいぶん話し込んでましたね」

「僕ちょこちょこ聞こえて来たけど・・・
多分あの男の人ルハンという人の知り合いみたい」


スホの屋敷に戻ってきてから
シウミンはリビングの椅子に座ったまま考え込んでいた

少し離れたところでチェンとスホがシウミンを見ながら
心配そうにひそひそと話しをしていた

「スホさんにチェン。新作メニューなんですけど
試食してみてください!!!色々意見お願いします」

キッチンからディオが新作サンドイッチを運んできた


シウミンは今スホの屋敷に住んでいる
ディオとチェンも一緒だ(もちろん家賃を払っている)

「ヒョン・・・新メニュー作ったのですけど・・・」

ディオの言葉にシウミンはハッとしてみんなの方を向いた

「あっ・・・悪い・・今コーヒー入れるからな・・・」




「あー美味しかった。ディオって本当に料理の才能あるよね」
チェンが満足気におなかをさすりながら言うと

「今度ケーキとかも作ってみれば?」
スホも笑顔でディオにアドバイスをする

スホとチェンとディオが
楽しそうに話しをしている輪から少し離れて
シウミンがぼんやりしている

さすがに見かねたスホがシウミンに声をかけた

「店を訪ねてきた男の人ってなんだったの?
シウミンがそんなんだと僕たち心配なんだ」

シウミンがスホの方をむいて
小さく深呼吸をしてからほほ笑んだ

そして静かに話し出した

「そうだね・・・聞いてくれる?」





その金髪の男性はクリスと名乗った

「あなたはルハンを知ってますよね」

「会った事ないですけど・・・」

「私はルハンと一緒に住んでいました
あなたとルハンが塀越しに話をしていたのも知ってます」

クリスの言葉で、泣き虫の弟としっかり者の兄達と住んでいる・・・
そう聞いていたのを思い出した

「終戦から5年・・・俺たちが別れてから8年経つんです
ルハンから何も連絡がなくて・・・シウミンさんの所なら
あいつから連絡が行ってるかと思ったんですが・・・」

「僕の所にも連絡ないです・・・そもそも僕は『ルハン』の名前と
声しか知らない・・・暗闇だったから顔もよく識別できなかったし・・」

「でもルハンはあなたと再会する約束をしてました。
ものすごく楽しみにしていて
どんな事をしても生き延びてやるって・・・・」

「クリスさん・・あなた達の国は敗戦しましたよね
ルハンも出兵していたんですか?」

シウミンの言葉にクリスは少し躊躇した
しばらく考えをまとめるように上を見上げて
息をひとつ吐いてからシウミンを見つめた

「あなたなら真実を話しても大丈夫でしょう・・・
実はルハン・・俺もそうなんですが・・・スパイとして
養成されていて・・・戦争中はスパイ活動してたんです」

「・・・・」

「もともと俺たち4人・・・他にレイとタオがいるんですが
あの国に忠誠なんて持ってなかったから
戦時中のどさくさに紛れて逃げ出そうと話してました」

「他の2人は・・・連絡とれたんですか?」

「なんとか再会できました・・でもルハンだけは探しても見つからない」

「・・・・・」

「ルハンは・・いつもあなたの話をしていました
普通の生活をしていたら・・・
体験できるのかなって
いつも楽しそうに
あなたから聞いた話をしてくれました・・・」

「ルハン・・・」

「俺たちの毎日は人殺しのための訓練や
スパイ活動に役立つ訓練ばかりだったから・・・」

ルハンの事で何かわかったら
お互いに連絡を取り会いましょう・・・

そう言ってクリスは帰って行った・・・・・





話を聞き終わってスホ達も言葉を失っていた

子供の頃からスパイの養成を受けていたルハン・・・
シウミンがあの場所にcaféを開いたのはルハンと会うためだった・・
11歳からずっと塀越しの親交があったシウミンとルハン・・・

「ヒョン・・・生き延びる理由ってそうだったんですね」

ディオが顔をくしゃくしゃにしながら
シウミンに抱きついた

「ウミニヒョンの脚の怪我は
僕を庇ったためのものなんです」

「ディオ・・もういいよ」

「スホさん達に聞いてもらいます・・・
捕虜生活たがら・・怪我しても治療なんてしてもらえなくて
怪我からばい菌が入って・・・高熱が出て・・・
でも・・ヒョンは・・絶対に生き延びるって・・・
命は助かったけど・・・後遺症が残ってしまった・・・」

シウミンの背中にしがみつきながら
泣きじゃくるディオをチェンが優しく抱きしめた


「シウミン・・・大丈夫だよルハンも生き延びてるよ・・・
お前がそんなにしてまで生きようとしたのと同じで
ルハンも・・どんな事をしてでも会いに来るよ」

スホの言葉にシウミンは静かに涙を流した




それから平凡で穏やかな日常がしばらく続く・・・・

そしてcaféがオープンして2年後に
空襲で焼け残っていた塀が全て取り壊される事になった



続く
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Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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