運命 10

[運命]10

あの夜・・・たまたま猫を追いかけてあの塀の側まで行って・・
かすかに聞こえてきた歌声に気が付いたんだ


不思議な感覚だった
天使の歌声かと思うくらい
俺はその歌声に魅了された

そしてその歌声の持ち主と塀越しの交流が始まった
相手の顔なんて知らないまま
俺たちは色んな話をしたっけ・・・
でもルハンからの質問の方が多かったな・・・

5年も・・顔の分からない相手との交流・・
他の奴等から見ると理解できないかも知れない・・・
でも俺はルハンと話をするのが凄く楽しかった
会えない時間も2人で話をした事を何度も思い出していた

今思えば当時の俺は恋をしていたかのようだった・・・・

最後の交信から10年経ったんだぞ・・・
ルハン・・・お前が生き延びろと言ったから
俺はプライドも何もかも捨てて生き延びた


あの穴から除いたお前の顔はあまり記憶にはないけど
キラキラと夜空の星が瞬いているかのような
お前の瞳は忘れない・・・すごく綺麗だった・・・


俺たちのあの塀が壊されようとしているんだぞ・・

ルハン・・・今どこにいるんだ・・・会いたい・・・

お前は俺に会いに来てくれないのか







バリバリと壊されていく塀を見つめながら
シウミンは小さくため息をついて
隣のチェンに店に戻ろうと肩を叩いた





あの建物・・・知ってる・・

あの塀・・・俺・・何度も壊そうとした塀・・・


あああああああっ頭が・・・頭が割れそうに痛い・・・




塀の向こう側の様子が見えるようになると
テヨンが突然頭を抱えて崩れ落ちていく



「きゃあ~あなた大丈夫?」

セフン達の近くで見ていた女性が
崩れ落ちるテヨンに気づき悲鳴をあげた
テヨンの周囲に小さい人の輪が出来る

何事が起きたのかとシウミンは
足を引き摺りながらも急いで輪の中に飛び込んでいった


「大丈夫ですか? 私の店がすぐ近くにあるので
お連れさんを休ませてあげてください」

シウミンはテヨンを抱き上げているセフンに声をかけて
自分の店まで連れて行く事にした

チェンがディオに詳細を説明するために
先に店まで走って行った




「あっ!!!あの人この間のお兄さんだっ」

セフンが急ぎ足で去っていく姿をタオが見つけて
クリスとレイに伝える

「誰かを抱きかかえてるぞ・・・女性っぽいな」

「クリス・・・シウミン達が一緒に移動してる」

「なんだろう・・・俺たちも行くか」





「大丈夫ですか? 
お連れさんをそこのソファに寝かせてください」


シウミンのcaféに着くと

指示されるままにセフンは
テヨンを店の奥のソファに寝かせた

「すこし様子を見てみましょう・・
私はシウミンと言います。ここの店のものです
今コーヒーでも入れますので座っててください」

「お世話になります。私はセフン・・・これはテヨンです」

セフンは上着を脱ぐとテヨンのソファの隣に座った




「僕・・あの女性・・・ルハンだと思う」

店の外から中を覗いていたレイがクリスに囁いた

「俺もすごく似ていると思ったが・・レイはそう思うか・・」

「もっと近くで確認したいけど・・・あの人が邪魔だね
監視しているみたいだ・・・」

「そうだな・・・確認したくても邪魔されそうだな」

2人でこそこそ話をしていると中からディオの声が聞こえてきた


「すみません・・・うちはコーヒーの香りを大事にしたいので
店内は禁煙になってます・・・吸うなら外でお願いします」

手にタバコを持ったままセフンはディオに小さく謝り
ソファで寝ているテヨンの顔を確認してから
喫煙のために店の外に出た

「俺が世間話でもして時間作るから・・・レイ・・確認たのむ」

「うん・・・タオ行くよ」

レイはタオを連れて店の中に入って行った


続く
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Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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