運命 12

[運命]12


満月の綺麗な夜だった

何となく1人になりたくて監視の目をくぐり
塀のそばに行きぼんやりとしていた

その時・・歌を歌っていた

歌うのは好きだから知らないうちに口ずさんでいたんだろう

すると塀の向こうから塀を叩く音がした

モールス信号のようだ

『歌』『上手』

なんか嬉しくなった



満月の夜

いつも不思議な交信をしていた


相手は同じ歳の男の子
彼からもたらされる話はとても興味深くて

こんな生活をしている自分でも
普通に生活していたら体験出来る事なんだろうな・・

そう思いながらいつも楽しみにしていた

部屋に戻ると同居人達にその話をして
いつか・・今の状況から抜け出せたら・・・
自分もそんな生活をしてみたい・・・

そうみんなで話あっていた・・・




戦争が終わる寸前

仕事でヘマをして
リンチに強姦された上・・・道端に捨てられた

虫の息の状態の中
道端にあおむけに寝ていた俺は
ぼんやりと目をあけた

満月がとても綺麗だった


『ルハン・・』

少し高めの声で俺の名前を呼ぶ声がする

もうろうとした頭でぼんやりと月をながめていたら
たった一度しか見たことのない
でも絶対に忘れない風景が脳裏によみがえる・・・


色白の肌に大きな一重の意志の強そうな・・つりあがった瞳
そして綺麗な鼻筋に男の子なのに赤く柔らかそうな唇


会いたくて会いたくて何年もかけて塀に穴をあけて
やっとその顔を見る事ができた

シウミン・・・

瞳から涙があふれてきた・・・


そうだ・・・何としてでも生き延びないといけない

俺たちは約束したんだ・・・


最後の交信の時に俺が叩いた信号は・・・あいつには届いただろうか・・・


俺は・・・動かない体をむりやり引きずるようにして

なんとかその場から逃げ出すことができた・・・


そして・・・

そして・・・今・・

俺は・・・

俺の探している人は・・・どこにいる?

俺はだれ?

俺はいま何をしている?


あああ頭が割れるように痛い・・・
暗闇の中でもがいているようだ


頭の痛さから目を覚ました俺は・・・


ぼんやりと目をあけた・・



目の前に誰かがいる・・・・




続く
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るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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