大切なものはⅡ  後編

[大切なものはⅡ] 後編 


出演者の事故により
その日の公演は中止となった

カイは救急搬送され
客席から駆け付けたギョンスは
なりふり構わず救急車に乗り込み
関係者に「兄」だと言って
病院に付き添った



神様!!!!!!お願い!!!!カイを助けて下さい!!!!!
僕の・・・僕の大事なカイ・・・あああ・・・
お願い!!!!!!



ギョンスは倒れそうな自分に活を入れ
流れ出る涙を手の甲でぎゅっと拭うと
治療中の部屋の廊下でずっと祈り続けていた





「ヒョン・・・ありがとう」

目を覚ましたカイが
枕元にいるギョンスを見て
ニッコリとほほ笑んだ

ギョンスはその笑顔を見て
やっと緊張から自分を解放した


カイは腰から落下したようで
命には別状はなかったが
大事な足と腰を負傷してしまった

カイの様子を見に来た関係者によると
公演はもう一人の主役で続ける事となったそうだ

カイ以外は何事も無かったかのように
普通に日々が過ぎていく

ギョンスはその事が悔しくて
カイの見ていないところで何回か泣いた

当の本人は死ななくて良かったと笑っている

「死んだらヒョンのご飯食べられなくなるもん」

「お前の・・長年の夢が・・事故で中断されたのに
何をへらへらと笑っているんだよ」

珍しく声を荒げたギョンスの手をカイが優しく握った

「ヒョン・・・僕だって悔しいよ・・
せっかく掴んだ主役なのに
たった1日だけで・・・
もう踊れないかもしれない」

「カイ・・・」

「ギョンスヒョン・・覚えてる?
僕って一度死にかけたんだよ・・・・・」

「え?」

「餓死寸前の僕をひろって
ご飯食べさせてくれて
今日まで育ててくれたヒョンがいたから・・・
僕はバレエを続ける事ができたんだ」

「・・・・・」

「僕・・・ヒョンの事・・・
ずっと好きだった・・・
今でも大好きだよ・・・
だから・・
ヒョンのそんな悲しい顔を見たくないよ」

カイはそういうとギョンスの手を強く握りしめた

「もう・・踊れないかもしれない・・・
でも生きていれば・・・別の道もあるんだ
ヒョン・・・ぼくは・・・
ヒョンと一緒に生きて行きたい・・・」

カイが真剣な顔でギョンスの事を見つめている

さっきからギョンスの胸は
今まで感じたことのない痛みで疼き始めている

「カイ・・・」

ギョンスの大きな瞳から涙があふれて来た

「ギョンスヒョンは・・ヒョンは迷惑だった?」

カイが握っていた手を離そうとすると
ギョンスはその手を握り返し
頭を左右に大きく振った

「僕も同じだよ・・・
いつの間にか弟から大事な人になっていた
カイが舞台から落ちた瞬間・・心臓が止まるかと思った・・」

今回の事でギョンスはカイへの想いを
ハッキリと思い知る事が出来た

それは自分の命とも引き換えられるぐらい
とても大事な存在だと言う事だった


2人は見つめあうと
唇を重ねるだけの優しいkissをする

「カイ・・・好きだよ
これからもずっと一緒だからね・・」

「ヒョン・・ヒョンを好きになってよかった」
そう言うとカイは子供の様に無邪気に笑う

つられてギョンスも優しくほほ笑んだ




~数年後 ギョンスの店~


「カイ~!!!!厨房手伝って!!!オードブル運んでくれる?」

厨房からギョンスの声がする

「ギョンスヒョン~!!!!今行くよ~」

カイは2階の住居スペースから大きな紙袋を持って
1階のビストロに降りて来た

「あっ!!!チャニョルさん!!!!
これ・・・預かってたものです」

スマホを肩に挟んで
電話をしていたチャニョルに袋を渡すと
大急ぎで厨房に入って行った

今日はルハンとミンソクの友人たちが企画した
サプライズ結婚式
ギョンスの店でささやかなパーティを行う予定だ

カイは日本でリハビリしている時に
ルハンと一緒にトレーニングをしていた
イケメンだけど残念な人・・でもすごく温かい人
大人げない所も多々あったけど
リハビリ中に仲良くなった
いろんな話を聞いてもらったりした
ルハンに付き添っていたミンソクとも仲良くなった

「ヒョン・・・今日は2人どんな反応するのかなぁ」

「ふふふ・・楽しみだね・・
ミンソクの話だとルハンって泣き虫なんだって
大泣きするかもよ」

「あの人・・そんなにデリケートに見えないけど」

カイの言い方にギョンスはクスっと小さく笑う

そして料理を盛りつけながら小さく囁いた

「僕たちも・・もう少ししたら・・ちゃんとしたいな」

「!!!!!!!!!」

ギョンスの言葉にカイは驚きながらも
嬉しそうにほほ笑む

料理を盛り付けているギョンスを
後ろからぎゅっと抱きしめた

「うん・・・ヒョン・・もう少し待ってて
ちゃんとプロポーズするからね」



幸せって

好きな人と一緒にいて
好きな人と笑い
好きな人の事を想う・・・

そんな些細なことを
繰り返していくことなんだな・・・

ギョンスはカイと出会った偶然に感謝し
後ろにいるカイの方を向くと
自分からカイの唇にkissをする
カイの瞳が自分を好きだと言っているのを確認すると

「さあ・・出来上がった料理を運ぶからね」

突然現実戻ってテキパキと指示を出した

「ギョンスひょーん」

甘えた情けない声をカイが出しても
ギョンスは黙々と料理を盛り付ける

カイは
一生尻に敷かれるんだろうな・・・と
心の中で思い
そんな自分も悪くないな・・と
苦笑しながら料理の皿を厨房から運んでいった




おわり
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るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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