鹿とむしゅたー 10

[鹿と むしゅたー] 10


「王子・・・やっと見つけました・・探してたんですよ」


夜明け前の公園の片隅で

小さく膝を抱えるように座っていたシウスターに誰かが声をかけてきた


シウスターが声のする方に顔を向けると

1人の青年が優しい顔で立っている

その笑顔に浮かぶ えくぼが特徴的だった


「なんで? ユニコーンさんがいるの?」


「どうしたんですか? 王子・・・なんで泣いているんですか?」







愛する人と結ばれ最高の夜を過ごしたルハンは

そのぬくもりを確かめようと夢うつつの中

その人がいるべき場所に手を伸ばす


あれ?


そこにいるはずのシウスターの姿が見えない

ルハンは一瞬にして目が覚め

ベットから飛び起きた



夢・・・

じゃない・・・・

あまりにも好きすぎて結ばれた夢を見たのかと思ったけど

ベットの中は愛し合った行為のなごりが残っていた



「しうちゃん?」

ルハンはトイレや風呂場を覗いてみたが姿は見えない

キッチンのテーブルに紙切れが置いてあるのに気づいた



「ぼくは、自分の国にもどらなければなりません・・

ここでの出来事を思い出として、これから生きていきます

ありがとう・・さようなら・・・僕もルハンを愛しています」



「しうちゃん・・・どうして? 」


ルハンは急いで身支度をするとその紙切れを握りしめて

まだ薄暗い外にむかって飛び出していった







「僕・・・今帰らないと・・・帰りたくなくなる・・・・

だから好きな人を置いてきた・・・

でも来るときに通れた道が今通れなくなってる・・・

僕が戻らないと・・・国が消滅しちゃう・・・」


えくぼの青年は優しく見つめてシウスターの話を聞いている


「王子はいいんですか?

ルハンにサヨナラ言わないで別れても?

王子が人間の姿になれたのは

ルハンからの愛が

神様からの条件を全てクリアしたからなんですよ」



「ユニコーンさん・・・僕は・・・どうしたらいいんですか?」


シウスターは溢れた涙をぬぐうこともせずに

ユニコーンと呼ばれた青年を見つめていた・・・・









「しうちゃん・・・ダメだよ・・俺のそばからいなくなっちゃ」


子供の頃助けたハムスター・・

あまりにも可愛らしくて、

それ以来ハムスターが気になって仕方なくなっていた

もうその時には心を奪われていたのかもしれない・・・


「しうちゃん・・・どこに行ったんだよっ・・」


薄暗い外に走り出たのはいいが何処に行けばいいのか・・・


「公園・・・」


カラスに襲われていた所を助けた公園・・・

もしかしたらそこにシウスターが人間界に来た通路があるのかもしれない

そう考えたルハンは公園に向けて全力で走って行った
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るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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