鹿とむしゅたー Last

[鹿と むしゅたー] Last



「王子~王子~心配してたんですよ~!!!!!」

ルハンの腕の中にいるシウスターにチェンが抱き着いてくる

顔は涙でぐちゃぐちゃだった



「ごめんね・・・あっちでいろいろあって・・・」


そこまで言うと「ただいま」とニッコリほほ笑んだ

チェンは王子の笑顔を見て安堵感からか

大きな声で、良かった~良かった~と泣き続けている



「うーっ・・・ちょっと重いんだけど・・」

チェンがはっとして声のする方に顔をむけると

事もあろうかルハンの顔の上に左足を乗せていたのだった



「こちらはどなたですか?」


チェンは左足をそっとどかしながらシウスターに尋ねる



「あ・・あの・・」シウスターが真っ赤になってもじもじする



「王子はあっちの世界で婿を捕まえてきましたよ」

レイが助け舟を出すようにルハンを婿と説明した


「うわっ王子~!!!!!今占ったら『ご懐妊』というカードでました」

その横で、スホがカードを捲りながら素っ頓狂な声を出した


『ご懐妊!!!!!』

『婿』


突然の話の飛躍にルハンはついて行けずにキョトンとしたまま


「ルハン・・・大丈夫? 」

レイが苦笑しながら声をかけると、


はっと意識を取り戻して脳裏に浮かんだ疑問を口にした

「かいにん・・って・・しうちゃん男の子でしょ? 俺も男だけど・・」


腕の中のシウスターは真っ赤な顔をしたまま

恥ずかしそうに下を向いている


「この国は直系血族が国を統治しているんだよ」


「うん・・それ聞いた」


「だから~よりよい血の配合を求めて

直系の王子は・・・どんな相手が来ても結婚できるようになってるの」


「はぁ?」


「優秀な遺伝子の相手と添い遂げられるように・・・男の子でも女の子でもあるわけ」


「はい?」


そこまで言うとレイはニヤニヤしながらルハンの顔を見つめる



男の子でもハムスターでも何でも構わない・・・と

ルハンは本能の赴くままにシウスターを抱いた・・・

愛し合った・・確かにヤった・・・


ルハンの頭の中でいろんな思いがぐるぐるし始める・・・


「さっき人間界から帰ってくるときに時間のズレが生じたかもね」

レイのダメ出しの一言


「時間のズレ・・・って・・・ええええ?」


「しうちゃん・・・しうちゃんのお腹の中に・・赤ちゃんが出来たって事?」

ルハンの声を聞いて

ますます恥ずかしくなり胸に顔をうずめるシウスター


2人の様子を見ていたチェンは

ルハンの頭に小さく生えている角を見つけて驚く・・・


「うわぁ~王子の連れて帰った婿どのは・・・鹿族じゃないか・・

鹿族の血が混じれば・・病弱、短命なんて吹っ飛ぶくらい

健康で丈夫な子供たちに恵まれるじゃないか!!!!!」


「すぐに挙式の準備しなくちゃ!!!!!あー忙しい忙しい!!!!」

そう叫ぶと王宮に向かって走り去って行った


「王子・・元気な赤ちゃんがたくさん生まれるとカードに現れてます」

スホはそう言うと

「挙式で今から忙しくなりますよ・・・風水やら今から占う事たくさんあって

私も忙しくなりそうです・・・お先に失礼します」

チェンの去って行った後を慌てて追いかけて行った



「ルハンって・・・人間じゃなかったの? 頭に角がある・・」


え?

ルハンは自分の頭に手をあてて小さな二つの角に驚いた


良く見るとシウスターも人間の姿なのに少し違って

頭から可愛い耳が生えていた

レイも人間の時と同じ姿なのに頭に角が生えて

背中に羽も生えている


「やはりルハンは人間じゃなかったんだね~

でもそのおかげでこの国の婿になれるから良かったね~」


「俺・・・人間じゃなかったのか? 今初めて知った・・・」


「しうちゃん・・・これで堂々としうちゃんと愛し合えるんだね」

ルハンにとって自分が人間かどうかよりも

愛する人と一緒にいられるかどうかの方が重要問題だった





~人間界 大学のカフェテリア~



「タオ・・・お前良くそんなクソ甘そうなもの食えるな・・」

コーヒーを飲みながらクリスが呆れたように言う


「スペシャルスイーツフェア!!!特盛いちごパフェ!!!!!

今ならいつもより格安なんだもん!!!初夏でもいちごは欠かせないよ」

通常のものの2倍はありそうなパフェを前に

美味しそうにかぶり付くタオ

そんなタオを見てクリスは苦笑する



「そーいえば・・・るうちゃん・・・今頃どうしてるんだろう」


「ルハンが気になるか?」


「うん・・るうちゃん・・・要注意人物というよりも

タオと友達だったから・・保護観察の相手と思えなかったんだよね」


「まあ・・あいつは凶暴な鹿一族の先祖返りだったけど

まったく自覚もなかったし・・・能力も使えてなかったしな

俺も友達として付き合っていた気分だな」


「レイは一緒に行ったまま戻ってこないね」


「あっちでルハン達の結婚式に出て、何か気に入った相手見つけて

今猛アタック中らしい・・・」


タオは手にもったスプーンを置くと

少し考えてからクリスに話しかけた


「るうちゃんを見張る仕事なくなったけど・・・

たいちょーはどうするの? タオはこのまま人間界にいたいな」


タオの寂しそうな顔を見つめてクリスは口を開いた


「俺もお前もそれぞれの国の跡取りではないし・・・

まあ行ったり来たりで気楽にしてればいいんじゃないか?

またどこかで先祖返りが現れたら・・・その時は同じようにすればいいし」


「うん・・・」


「ルハンはハムスターの王子と結婚したから・・大変らしいぞ」


「大変?」


タオがキョトンとする


クリスは苦笑しながら大変の意味を教え始めた

「どんどん子供生まれて・・・今では12人くらいのパパやってるらしい

鹿族の精力絶倫の本能とハムスターの子宝能力が合体したからな・・・

もう跡取りがいなくて困る・・なんて事はありえないだろうな」


可愛いハムスターの子供たちに囲まれて

破顔しているルハンの姿が目に浮かぶようだ・・・

タオは羨ましくなって「タオも見に行きたい」とクリスにつげた


「お前は豹族、俺は龍族・・・ハムスター国とは交流ないけど・・・

まあルハンが婿に入ったから遊びに行けるかな?」


「近々一緒に行こうね!!!! たいちょー約束だよ」

タオは残りのパフェを楽しそうに食べ続け

クリスはその姿を優しく見守っていた


おしまい



ファンタジーを目指して失敗しました・・・すみません・・・
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非公開コメント

こんばんは(*´∀`*)

完結ありがとうございました(*´∀`*)
そして、お疲れ様です<(_ _*)>

みんな人間ではなかったんですね!!
babyちゃん達可愛いんでしょうね(*´-`)
わちゃわちゃなハッピーライフが目に浮かびます♪

次はどんなお話でしょうか(≧▼≦)

更新楽しみに待ってます(●´∀`●)/
素敵なお話ありがとうございました<(_ _*)> by a

Re: こんばんは(*´∀`*)

> aさんへ

コメントありがとうございます

最初の思惑と違ってしまって・・・
こんな話になってしまいました
この話にはその後があります
よかったらそちらも読んでみて下さい
プロフィール

宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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