偶然による必然的な出会い 3

[偶然による必然的な出会い] 3



「ギョンスヒョン♪ 頼まれていたもの買いましたよ~

数量限定で入手困難だったんですからね!!!!」


「ああ・・・それは大変だったね~ありがとう。到着って明日?」


「運航は順調に行ってますので正確には12時間後位には着きます」


「久々にクリームシチュー作ってみたんだよ。カイ達の分も残してあるから

着いたら食べてね・・・で・・お荷物の方は大丈夫?」


「お荷物?・・・ああ・・・ベッキョンさんは落ち着いてます

精神的なダメージが大きかったようですけど・・・・

地球からソリップまでの数日間でチャニョルがべったり貼りついてて

今では少しは笑ったりするようになりました」


「なら良かった・・・スホさんからの依頼でどうなるかと心配したけど・・

カイも気をつけて来てね」


「ギョンスヒョン♪ シチュー楽しみにしてます」



ヒボム便の操縦席でソリップとの通信を切ると

カイはギョンスのシチューに思いをはせて顔がニヤけてきた



ヒボム便は民間で初めての星間宅配業者だ

創立した当時は4人だった従業員も今ではかなり増えて

運航本数も船も民間では1番の大きさを誇っていた



カイとチャニョルはその中でも「ソリップ」限定の便のスタッフで

(創立者の恋人とユノ指令が知り合いだった事から

特別に開拓チームのための便を新しく作ってもらった)


地球から片道1週間近く運航し

ソリップから戻るのにまた1週間近くかける・・・

宇宙空間を移動している時間ばかりだが

毎日のようにギョンスと通信が出来るので

カイは今の仕事に不満は持っていない



「それにしても四六時中チャニョルが横にいて

ベッキョンさん・・・うざくないかな・・・・」


カイはいつも思っている事をぽつりと呟く

だからと言って

しゃべっていないと死んじゃうのではないか疑惑のチャニョルの相手を

自らしようとは思わないのだった






数時間前


ソリップのチーム長シウミンは

通信室でスホから頼まれごとを受けていた



「お前・・・ベッキョン覚えているか? 大学校で僕のゼミの後輩だった」


「ああ・・・知ってる・・・そんなに話はしてないけど・・頭の切れる奴だったな」


「そのベッキョンが・・・切れすぎて・・・失策した・・・・」


スホの話によると派閥の対立に巻き込まれて

うまい具合に利用された揚句に切られたとの事だった


すべての悪事の要因を押しつけられて、政治犯の矯正施設のある星に流される所を

ベッキョンを可愛がっていた上司が心もとないと言って

書類を偽造しソリップ赴任にすり替えたのだった


「結局俺たちの星って『島流し』に利用されてるんじゃないか」

シウミンが苦笑すると


「ベッキョンだけが悪いわけじゃない・・

トカゲのしっぽ切りで気の毒になったんだ・・・

今回の偽造には僕もチャンミンさんも噛んでいる・・・」


「いいよ・・・人手が足りないくらいだから・・・

ここに来たら肉体労働させるからな・・・自給自足だし」

シウミンはそう言って笑う


「セフナも少し良くなってきているよ・・・感情は表わせないけど

ちゃんと農作業して食べるものは食べているし・・・」


「ユノ指令がスケジュール調整をしてでも一度ソリップに行きたいって・・

高速船で行くことになると思うけど・・・また連絡する」


「スホ・・・それでベッキョンはいつ来るんだ?」


「ヒボム便で頼んだから・・・明日かな?」


「はあ?お前・・・それって・・・もっと早く教えろよっ!!!!!」


スホが最高の笑顔でスクリーン越しに笑っていた

その画面を睨みつけてシウミンは通信を切った



「まったく・・・この星のことなんだと思ってんだよっ!!!!!

一応農作物の研究開発機関だからなっ!!!!!!」

シウミンはそう呟くと

チェン達のいるリビングに向かった







「ギョンスヒョンに頼まれたスイーツでしょ・・・

ギョンスヒョンから注文された冷凍肉でしょ・・・

ギョンスヒョンの好きな匂いのシャンプーでしょ・・・・」

カイが荷物の前でもう一度確認作業をしている



その様子をチャニョルとベッキョンが横で見ていた


「カイって本当にギョンスさんが好きだよね」

チャニョルが呆れたように呟くと

ベッキョンか不思議そうに尋ねてきた


「その・・・ギョンスってチェンの研究所にいたギョンスの事?」


「そう・・・地球にいた時に僕とギョンスヒョンはお隣に住んでたんだ・・

でも・・・へき地の研究所に行くって言われて・・・悲しかった・・・」


「で、今のヒボム便に就職して毎回会えるようになったんだったな」

チャニョルの言葉にカイは頬を赤く染めた



「俺も左遷組だけど・・・シウミンやチェンも左遷みたいなもんだな

島流しの星ソリップ・・・まさにその通りだ」

ベッキョンが自虐的に笑った



「もうすぐ到着しますよ~シートベルト着用してくださいね」

チャニョルの言葉に2人は頷いてそれぞれ席につき

最後のGの加圧に耐えた・・・





惑星ソリップ~宇宙ポート~



宇宙船から降りたベッキョンは

ソリップが自分が描いていたイメージと全く違っていて驚いた


今の地球ではなくなってしまった自然がまだたくさん存在している

ドームの中でしか生活できない地球と違い

ここには空気も緑も水も綺麗なまま存在している・・・・


「島流しどころか・・・ここは天国じゃねえか・・・」

思わず漏らした言葉に後ろから声がかかった


「そうだよ・・・最果ての惑星ソリップは、実は天国だったんだよ」

驚いて振り向くとシウミンが笑顔で立っていた


「スホから事情は聞いた・・・今日からベッキョンは開拓チームの一員だ」

そう言って右手を差し出してくる


驚いて動けないでいると


「明日から毎日肉体労働が待ってますよ~

僕はチェンです。よろしくお願いします」

眉毛を八の字に下げた人のよさそうな青年が

ベッキョンの肩をやさしく叩く


シウミンがベッキョンの手を優しく掴んで握手をすると

張りつめていたベッキョンの緊張の糸が切れたように

涙が一滴頬を伝い落ちた



「僕はギョンスです。農作物の研究もしてますが

この星では優秀なシェフです!!!!ここにいるのはセフンです」

カイから荷物を受け取りながらギョンスも笑顔で話しかける

セフンは荷物を持ったまま小さく会釈をした


人に裏切られて罪をなすり付けられて

完全に人間不信に陥っていたベッキョンは

優しく迎え入れられただけでも涙腺が緩んでしまう・・・・


「なんでチャニョルが泣いてるんだよ」

ベッキョンの様子を見ていたチャニョルが耐えきれずに号泣する

大きな男が小さな子供のように泣く姿をみて

ベッキョンは泣くよりも笑ってしまう気持ちの方が勝って

涙を流しながら声に出して笑った



(俺・・・ここでなんとか立ち直れるかもしれない・・・)

これから仲間として一緒に生活するメンバーの顔を見回して

ベッキョンはようやく心からの笑顔を見せることができた




「あ」

珍しくセフンが声をだした

周囲が驚いてセフンの指が差している方を見ると

空から光の玉が勢いよく落ちてきている

そしてその玉は地響きとともに少し離れた空き地に衝突した
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非公開コメント

おはようございます(*´∇`)

いつもお返事&更新ありがとうございます<(_ _*)>

どんどん皆集まってきたなぁと思ってたら
フルメンバーなんですね(*´-`)
楽しみです(≧▼≦)

るぅとシウちゃんが出逢うのと
セフナが人間になるの 笑も
楽しみです(@゜▽゜@)

Re: おはようございます(*´∇`)

> aさんへ

いつもコメントありがとうございます

登場人物が多いと書きたい場面も増えてしまい
今いろいろ調整中です←えらそうですが(笑)

基本固定CPで進みます・・・
なのでセフナを人間にしてくれるのは・・・あの子になります(笑)
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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