
出会う 前編
「偶然による~」がまだ途中ですが
突然浮かんだshort話をあげます
この話は大人になった2人が妄想中でして
その知り合ったきっかけになります
韓国の高校事情が分からないので日本を参考にしました
[出会う] 前編
「ルハン!!!!お前今日は給油当番だから、
部活は当番終わってからだぞ」
担任のサッカー部顧問に帰りのショートで言われて
ルハンは小さく口をとがらした
「へーい・・分かってますよ」
校舎の裏側にある燃料倉庫にたどり着くと
音楽教師のパク先生がルハンにチェック表を押しつけた
「ルハンくん・・サボらないで来てくれて助かったわ・・
取りに来たクラスをチェックして!
ポリタンクが戻ってきたらまたチェックしてね」
「へーい」
「ポケットに手を突っ込まない!!!!
第二ボタンはしめるんでしょ!!!ネクタイ緩めすぎ
シャツの裾はズボンにいれる!!!!」
うるさいなと思いつつも黙って言われたように制服をなおす
そうしているうちに
クラスの給油担当がポリタンクを取りに来始めた
「なんだ~今日はルハンが当番なのか? 美化委員さんおつかれ~」
「先輩おつかれっす!!!ポリタンクは終わったら必ず戻してください」
半分以上のクラスが取りに来て
少し間が空いた頃
校舎出入り口からテケテケと走ってくる小柄な生徒がいた
なんだ? 走り方がちょこまかしてる・・・ハムスターみたいだな
ルハンはじっとその生徒を眺めて近づくのを待っていると
「遅れてすみません・・・1-Aです灯油ください」と息を切らせながら言う
(1-Aって特進クラスじゃん・・こいつ頭いいんだ・・・
ワイシャツ第一ボタンまでしめてるし・・ネクタイもキチンとしめてる・・・)
ルハンがチェック表をつけながら生徒の顔を見つめていると
「あれ? キム・ミンソク? あなたホームルーム委員なのに取りに来たの?」
パク先生が声をかけると「今日当番が風邪で休みだったんです」
「君が来ることないじゃない? 美化委員にやらせればいいのに」
「でも・・・自分寒がりだから・・取りに来ました」
そう言ってニカっと笑った
一重なのに切れ長で大きな瞳がいたずら子猫のようにキラキラしている
ルハンはその瞳に吸い寄せられるように見つめていた
「灯油ください」
あっ
ルハンはあわてて1-Aと書かれたポリタンクを渡す
「重いから・・気をつけて」
今まで誰にも言わなかった言葉が自然と口から出てきた
「大丈夫~」
ミンソクは小さな体からは想像できないパワーで
ポリタンクを軽々と持って走り去って行った
「ルハンくん・・・部活があるでしょ? もういいわ・・・
後は空のタンクが戻ってくるのをチェックするだけだから
私がやるから・・・部活に行っていいわよ」
パク先生のありがたい申し出にも
走り去って行ったハムスターにまた会いたい気がして
少し躊躇していたが
サッカー部の部室の方から楽しそうな声が聞こえてきたので
「ありがとうございます・・俺・・行きます」と答えた
チェック表を先生に渡した後
思い出したようにルハンはパク先生に質問をした
「先生・・・特進クラスって・・部活入れないんですよね」
「ん? 特進? そうそう放課後は補講とか入ってるから
運動部なんてもってのほかよね・・・
大学進学のための勉強を今からやってるんだもん」
「あいつ・・・」
「あ? さっきのミンソクくん? あの子中学時代はサッカー部だったみたい
ポリタンク持ったフットワーク軽かったわね~」
「もったいないな・・・」
「そうね・・・特進は授業料免除とかあるから・・・
おうちの事情もあってなんでしょうね・・・」
ルハンは好きなサッカーが好きなだけ出来る状況に感謝をした
感謝なんて今までしたことなかったけど
パク先生の「おうちの事情」という言葉が頭の片隅に残った
1学年にクラスは10もある
特進クラスなんて自分とはまったく縁遠い存在だ
今日会った子猫みたいな瞳をもったミンソク・・・
ルハンの頭から離れない
また会いたいな・・・
会ってサッカーの話でもしてみたいな・・・
ニカっと笑った顔を可愛いと思った
その顔を思い返しながらルハンは部室に向かって走っていく
ミンソクに「一目ぼれ」をした自覚がないまま
息苦しい気持ちを体調の悪さだと思い込んで
ルハンは自分をとりまく日常生活に戻るのだった
続く
突然浮かんだshort話をあげます
この話は大人になった2人が妄想中でして
その知り合ったきっかけになります
韓国の高校事情が分からないので日本を参考にしました
[出会う] 前編
「ルハン!!!!お前今日は給油当番だから、
部活は当番終わってからだぞ」
担任のサッカー部顧問に帰りのショートで言われて
ルハンは小さく口をとがらした
「へーい・・分かってますよ」
校舎の裏側にある燃料倉庫にたどり着くと
音楽教師のパク先生がルハンにチェック表を押しつけた
「ルハンくん・・サボらないで来てくれて助かったわ・・
取りに来たクラスをチェックして!
ポリタンクが戻ってきたらまたチェックしてね」
「へーい」
「ポケットに手を突っ込まない!!!!
第二ボタンはしめるんでしょ!!!ネクタイ緩めすぎ
シャツの裾はズボンにいれる!!!!」
うるさいなと思いつつも黙って言われたように制服をなおす
そうしているうちに
クラスの給油担当がポリタンクを取りに来始めた
「なんだ~今日はルハンが当番なのか? 美化委員さんおつかれ~」
「先輩おつかれっす!!!ポリタンクは終わったら必ず戻してください」
半分以上のクラスが取りに来て
少し間が空いた頃
校舎出入り口からテケテケと走ってくる小柄な生徒がいた
なんだ? 走り方がちょこまかしてる・・・ハムスターみたいだな
ルハンはじっとその生徒を眺めて近づくのを待っていると
「遅れてすみません・・・1-Aです灯油ください」と息を切らせながら言う
(1-Aって特進クラスじゃん・・こいつ頭いいんだ・・・
ワイシャツ第一ボタンまでしめてるし・・ネクタイもキチンとしめてる・・・)
ルハンがチェック表をつけながら生徒の顔を見つめていると
「あれ? キム・ミンソク? あなたホームルーム委員なのに取りに来たの?」
パク先生が声をかけると「今日当番が風邪で休みだったんです」
「君が来ることないじゃない? 美化委員にやらせればいいのに」
「でも・・・自分寒がりだから・・取りに来ました」
そう言ってニカっと笑った
一重なのに切れ長で大きな瞳がいたずら子猫のようにキラキラしている
ルハンはその瞳に吸い寄せられるように見つめていた
「灯油ください」
あっ
ルハンはあわてて1-Aと書かれたポリタンクを渡す
「重いから・・気をつけて」
今まで誰にも言わなかった言葉が自然と口から出てきた
「大丈夫~」
ミンソクは小さな体からは想像できないパワーで
ポリタンクを軽々と持って走り去って行った
「ルハンくん・・・部活があるでしょ? もういいわ・・・
後は空のタンクが戻ってくるのをチェックするだけだから
私がやるから・・・部活に行っていいわよ」
パク先生のありがたい申し出にも
走り去って行ったハムスターにまた会いたい気がして
少し躊躇していたが
サッカー部の部室の方から楽しそうな声が聞こえてきたので
「ありがとうございます・・俺・・行きます」と答えた
チェック表を先生に渡した後
思い出したようにルハンはパク先生に質問をした
「先生・・・特進クラスって・・部活入れないんですよね」
「ん? 特進? そうそう放課後は補講とか入ってるから
運動部なんてもってのほかよね・・・
大学進学のための勉強を今からやってるんだもん」
「あいつ・・・」
「あ? さっきのミンソクくん? あの子中学時代はサッカー部だったみたい
ポリタンク持ったフットワーク軽かったわね~」
「もったいないな・・・」
「そうね・・・特進は授業料免除とかあるから・・・
おうちの事情もあってなんでしょうね・・・」
ルハンは好きなサッカーが好きなだけ出来る状況に感謝をした
感謝なんて今までしたことなかったけど
パク先生の「おうちの事情」という言葉が頭の片隅に残った
1学年にクラスは10もある
特進クラスなんて自分とはまったく縁遠い存在だ
今日会った子猫みたいな瞳をもったミンソク・・・
ルハンの頭から離れない
また会いたいな・・・
会ってサッカーの話でもしてみたいな・・・
ニカっと笑った顔を可愛いと思った
その顔を思い返しながらルハンは部室に向かって走っていく
ミンソクに「一目ぼれ」をした自覚がないまま
息苦しい気持ちを体調の悪さだと思い込んで
ルハンは自分をとりまく日常生活に戻るのだった
続く
スポンサーサイト