想う ~後編~

[想う] ~後編~


ルハンがプロになって2年

持って生まれた甘いマスクと

それを裏切るような男前のサッカースタイル

所属チームは弱小ながらもルハンの知名度はどんどん上がっていく

女性向けの雑誌でモデルさながらの写真が掲載されたり

今ではワールドカップのメンバーに選抜されるまでになっていた



ミンソクはロースクールで勉強に励んだ結果、

司法試験に無事受かり今は厳しい研修期間中だった。

研修が終了する時期には、

裁判官になるか検事になるか弁護士になるかを決めなくてはならない。



2人は全く違う世界の人間となってしまっていたが

2人は忙しいなりにも連絡はとりあっていて

お互いの状況は理解しあっていた


そんな時にルハンからどうしても話をしたい・・・と連絡を受けて

最近の行き付けになっている小さなビストロで会う約束をする



「ミンソクさま。本日はご予約いただいてありがとうございます」

オーナー兼シェフであるギョンスが、ミンソクの入店と共に挨拶にくる



「ミンソクでいいよ・・・チャニョルの友達だし・・・ギョンスだって

俺にオーナーって呼ばれたくないでしょ?」


「ちょっと改まってみたんだよ。今日はルハンさんが来るんでしょ?

奥に個室を用意しておいたからね・・・・チャニョルから噂聞いてたけど、

本当にあのルハンさんが皆の仲間だなんて信じられないな~」


ギョンスはくりっとした瞳を悪戯そうに動かして小さく笑った



フットサル仲間のチャニョルが、以前テレビ局のロケで使った店が気に入り

個人的に通い始めてオーナーのギョンスと友達になった

そのつながりからフットサル仲間で何度が店を利用するようになり

ミンソクも店の雰囲気やギョンスの人柄、食事の美味しさも気に入って

いつも利用するようになっていた


ルハンはすでにプロになっていて、多忙のためにこの店には来てなかったのだ



しばらくすると、息を切らせたルハンが店に飛び込んできた


「ミンソクごめん・・・何かパパラッチを巻くのに手間取った」


「パパラッチなんていたのか? って別に密会デートじゃないからいいじゃん」


ミンソクが不思議そうな顔をして答えると

ルハンは不満そうな顔をしてミンソクを睨み付けた


「ミンソクと会うのに密会したくないけどさ・・

ちょっと今日は重要な話があるから」

そう言うと小さくため息をついた

「とりあえず飲もう」


オーナーのギョンスが自らワインを持って挨拶に来た

「チャニョルの友達のギョンスだよ。オーナーだけどシェフでもあって

ギョンスの作る料理はすっごく旨いんだよ」

ミンソクの説明にルハンは爽やかな笑顔で挨拶をする


ギョンスも有名人を相手に少し緊張しているようだった

「ごゆっくり」ジョンスが挨拶をして下がると

すぐに前菜の盛り合わせが運ばれてくる


しばらく料理を味わいながら、あれこれ他愛もない話をする

メインを食べ終わった頃にルハンがやっと本題を切り出した


「あのさ・・・俺・・・」

言いにくそうにするルハンにミンソクは笑顔をむける

「何? どうかした?」

ルハンはミンソクの顔をじっと見つめると

眉間に皺を寄せて覚悟を決めたように口を開いた


「俺・・移籍の話が来てる・・・」

「え?」

「それもドイツ・・・」

「・・・・・」


ルハンはプロに入って目立つポイントで活躍していた

先日もワールドカップ予選で目立つ活躍をしていたのだ


ミンソクが黙ってしまったのでルハンは小さくため息をつき、

ワインでも飲もうと手を伸ばすと、ミンソクが顔をあげた


「ルハン!!!!」

「え?」

「お前すっげーよ!!!!」

ミンソクの瞳が興奮できらきらと輝いていた


「俺・・でも迷ってる・・・ドイツに行っても使い物にならなそうで」


「バカっ!!!!何言ってんだよ!!!!誰もがいけるわけじゃないだろう?」


「俺・・・ドイツ語話せないし・・って英語もあぶないのに・・」


「お前に言葉はいらないだろう!!!!」


まだぶつぶつと煮え切らないルハンを見てミンソクは言い放った


「こんなチャンスはもう来ないよ・・ダメでもいいじゃん・・

ドイツに行って来いよ・・・お前は・・・ルハンは俺にとっての夢なんだ」


「夢?」


「俺が続けられなかった大好きなサッカーを

親友のお前が続けてくれる・・・そんなお前に俺の夢が託されてるんだよ」


ルハンはハッとする

高校時代、家庭の事情から費用のかからない特進クラスにいたミンソク

部活動に入れなくてサッカー部の練習を遠くから眺めていた・・・

そんな寂しそうな姿を見てしまい

我慢できなくて個人的にフットサルチームに勧誘したんだった


そんな時にミンソクは自分の夢を俺に託していたんだ・・・

ルハンの胸がじーんと熱くなってくる


「ルハン・・俺は全力でお前を応援する!!!!できる限りのことをしてやる

だから、あっちで要らないって言われるまで頑張って来い!!!!

たとえ結果でなくても俺はお前を応援し続けるからな」


「ミンソク・・・」

ルハンの瞳から涙が一滴流れた


「何泣いてるんだよ・・・ばか」


「ミンソクも俺と一緒にドイツに来てよ・・寂しいよ」

ルハンの一言にドキっとするが、ミンソクはすぐに笑顔でごまかして


「バカっ!!!俺だって地獄の研修中なんだぞ・・弁護士めざしてがんばってんだぞ」


「うううううっ・・・ミンソクと離れたくない」


「毎日電話してやるから!!!!!可能な限り応援にドイツまで行ってやるから」


「絶対だよ・・・」


ルハンはミンソクの想いを感じてドイツへの移籍を決めた

ミンソクは約束通りできる限り電話をし

長期休みが取れればドイツまで応援に行った


そしてルハンは移籍後のデビュー戦を華々しく飾るのだった


2人はお互いへの想いをもう「親友」ではないことに気づいていた


気づいてはいたが今は他にやる事がたくさんあったため

その部分には見ないふりをして過ごしていた


しかし

ルハンがドイツリーグで名前を知られるようになった頃

2人を取り巻く状況が激変する事件がおきた





「願う」に続く
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ドキドキする

事件って・・・(´・ω・`;)ぅぅ

お互いの想い・・切ない

早く続きが読みたい!
けど、ドキドキするっ!

おはようございます(*´∀`*)

続きが楽しみです(≧▼≦)

Re: ドキドキする

> あんさんへ

いつもコメントありがとうございます

実はこの三部作は「願う」が最初に妄想してて
それから話の辻褄あわせから過去にさかのぼって行ったんです

その割には文章に起こすのが大変で・・・
文章力がないもので・・・すみません
頭の中にはあるんですけど・・・なかなか書けないです

もう少しお待ちくださいね

Re: おはようございます(*´∀`*)

> aさんへ


はい

頑張ります・・・少々お待ちください・・・
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宗文san

Author:宗文san
るーみん大好き宗文です。2人の幸せを祈ってます。ここでは2人の妄想話が主になります。BLが苦手な方は読まずにお帰り下さい。

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